温かな励ましで、“世界平和の宝”を健やかに育みたい

2013年12月13日(金)更新:2
【名字の言】
 年末商戦で、デパートのおもちゃ売り場が活気を帯びてきた。積み木やブロックを手に取ってみる。何の変哲もない木やプラスチックの塊が子どもを楽しませ、想像力を育むことに、今更ながら驚く▼新島襄福沢諭吉と並ぶ「明治六大教育家」の一人、近藤真琴は航海術を広めた人物だが、おもちゃを普及させたことでも知られる。多くの日本人におもちゃと教育が結びつかなかった時代に、西洋事情を紹介しながら、人形や積み木などが子どもの人格形成の基盤を培い、大きな教育効果をもたらすことを訴えた(是澤博昭著『教育玩具の近代』世織書房)▼牧口初代会長は『人生地理学』で、近藤について綴っている(第16章「海岸」)。鳥羽藩士だった彼が伊勢湾を望む郷土の自然環境から大きな影響を受け、遠い海の彼方に目を向けるようになった、と強調した▼家庭、地域、国土にいたるまで子どもの成長を取り巻く環境は、さまざまである。しかし、どこであれ、そこに居る大人自身が、子どもに良い影響を与える最大の教育環境であることを忘れまい▼今月23日まで「未来部勝利月間」。子らの創造力を育む玩具選びは親の仕事だが、地域の大人が関わる温かな励ましで、“世界平和の宝”を健やかに育みたい。(弘)
   (聖教新聞 2013-12-13)