名誉会長の指針 希望と励ましの対話を生き生きと
2013年12月17日(火)更新:5
●「世界広布新時代第2回本部幹部会」「沖縄総会」(8日、沖縄研修道場)の席上、「第48回本部幹部会」(2000年7月)での池田名誉会長のスピーチが上映された。明年の新たな勝利の歴史を開く指針として掲載する。
【本部幹部会で紹介された名誉会長の指針】
《生命こそ最高の宝! 人間の輝きで幸福と平和の社会へ》
●一、先日、ある識者が語っていた。
「創価学会の幹部会は、世界最高の『生命と生命のサミット』『人間と人間のサミット』ですね」と。
見る人は、きちんと見ている。
地道にして誇り高き「民衆のサミット」――その心意気で進みたい。一番正しいのは「人間主義」である。ゆえに学会の前進が大事なのである。
海外から来られた皆さま、遠いところ、本当にご苦労さま!
温かい心。
信心の心。
同志愛の心。
団結の心。
広宣流布の心。
そして「信心」の魂の結合の組織――これが創価学会である。これで進みたい。
〈沖縄の天地から立正安国の光を〉
一、私が沖縄を初めて訪問したのは、40年前――1960年の7月16日。一番、暑い季節であった。
その日は、日蓮大聖人が時の最高権力者に「立正安国論」を上呈し、国主諫暁をされてより、ちょうど700年後の、その日であった。
この日を、永遠に残る歴史の日に選び、私は行動したのである。
当時、沖縄は大変な苦難の時期であった。
私は皆を励ました。
「沖縄は、必ずや将来、『東洋のハワイ』になります。世界中の人々が憧れ、集い合う天地に必ずなります」
どこよりも、戦争の犠牲になって、苦しみ抜いてこられた沖縄である。
だからこそ、どこよりも「平和」と「幸福」を勝ち取っていかねばならない!
これが、沖縄の使命である。沖縄の戦いである。
また、これが私の祈りであり、決意であり、確信であった。
今、その願いが現実になってきたと私は信ずる。
沖縄の未来のために、私は、人知れず、手を打ってきた。
小説『人間革命』の執筆を、愛する沖縄の地で開始したのも、こうした意味からである。
一、わが沖縄の尊き同志は、私も大好きな「沖縄健児の歌」にあるごとく、「命をかけて、ひと筋に」、大聖人の御仏意(ごぶっち)のままに戦い抜いてきた。
今や「一番早い広宣流布の天地」と前進している。
ハブのいる草むらを踏み分け、波浪を乗り越えて、広宣流布の道なき道を切り開いてこられたのが沖縄の同志である。
うれしいことに、正法流布の伸展とともに、沖縄は素晴らしい「繁栄の道」を歩んでこられた。
21世紀へ、いやまして「立正安国」という偉大な平和の光を、赫々と放ち始めた。
〈常に自分自身の原点に立ち返れ〉
一、沖縄で尊敬されている偉人の一人に、18世紀、琉球王国の黄金時代を築いた蔡温(さいおん)という有名な哲人指導者がいる。
“人間学の達人”であった蔡温は、次のようなエピソードを書き残している。
それは、一人の少年に対する、おじいさんの「励ましの対話」である。
この沖縄の少年は、誇りをもって、おじいさんに言った。
「私は、先祖代々に伝わる大切な剣を持っています。それを毎日、一日も怠らず、磨いております」
すると、おじいさんが尋ねた。
「その剣以外に、おまえは何か宝を持っているか」
少年は答える。「何も持っておりません」
おじいさんは静かに言った。
「その剣など、小さな宝にすぎないのだよ。君は、最高の宝を持っている。それは、君自身だ」
君自身の生命の宝を、なぜ磨こうとしないのか?
この教えに、少年は深く感じ入って、おじいさんに感謝したという話である。 〈崎浜秀明編著『蔡温全集』本那書籍。参照〉
仏法にも通ずる話である。
一、私が申し上げたいのは、常に立ち返るべき原点は「自分自身」であり、「生命それ自体」であるということである。
人間が人間らしく生き、人間らしく生命を輝かせていく。これ以上のことはない。
そこにはじめて、人間らしく「幸福」と「平和」と「自然との共生」を実現していける。
今こそ、「人間」という原点に返るべきではないだろうか。
その点、沖縄には、「命こそ宝」という哲学が光っている。
人間教育の根本も、「生命を大切にすること」である。
だから「絶対に人を殺してはならない」。
だから「絶対に戦争を起こしてはならない」。
簡潔にして根本の原則である。
この点だけは、21世紀の世代に、峻厳に教え伝えていかなければならない。
それ以外のことは、でき得る限り、自由に伸び伸びと、大らかに、未来部を育て、応援していけばよいと私は思う。
《大確信で勝利へ前進 広布と同志のために祈ればわが身に千倍、万倍の力が》
〈学会の座談会は人格の触発の場〉
一、私は、イラン出身の著名な平和学者であられるテヘラニアン博士と語り合った。
これからの情報社会をリードするには「人間根本の哲学」を持って、「人格と生命の対話」を率先して実践していく指導者が必要である。
この点、テヘラニアン博士も私も、一致した意見であった。
さらに、テヘラニアン博士は、そうした「生命触発のモデル」として、創価学会の座談会運動、対話運動を挙げておられる。
「私は、SGI(創価学会インタナショナル)にみられる座談会などの自主的な小規模のミーティング(会合)のもつ役割を高く評価し、着目しています」と。
「情報技術革命」が進めば進むほど、健全な人間と社会の発展のために、人格と人格がふれあう「一体一の対話」が必要不可欠になるのは当然である。
その時代の最先端の行動をし、新たな地球文明の創造へ貢献しているのが、わが創価学会であると、世界の識者が注目し始めたのである。
〈声が仏の仕事を〉
一、「声仏事を為す」(御書708ページ)――声が仏の仕事をなすのである。
しゃべることである。対話である。
「柔和忍辱(正法を素直に受持し、難を耐え忍ぶ)の衣」「忍耐の心」を持ちながら日々、生き生きと声を発していく。
「希望の対話」「哲学の対話」「幸福の対話」「和やかな対話」「励ましの対話」――。
それが人間らしい世界をつくる。それが「勝利への対話」につながるよう戦ってまいりたい。
一、ご健康とご長寿を祈りたい。すべての成功と勝利を祈りたい。
皆さまに、お題目を送ります。皆も祈っていただきたい。
「悪鬼入其身」の反対で、自身の生命に「梵天、帝釈、日天、月天よ、入りたまえ!」「全学会員に、わが地域のすべての同志の方々の生命に、梵天、帝釈、日天、月天よ、入りたまえ!」――こう祈れば、千倍、万倍の力が出る。
これが生命変革の「祈り」である。「信仰」である。人間革命への“秘伝”である。
ゆえに、断じて負けることはない。この大確信で進みましょう!
きょうは、ありがとう!
(聖教新聞 2013-12-17)