「この日記を開けば、わが人生の生き方がはっきり見える」

2013年12月29日(日)更新:4
【名字の言】
 毎日、書いている五年日記『道』(本社刊)で、この一年を振り返ってみた。忘れてしまっていることも多かったが、掛け替えのない日々が、よみがえってきた▼平穏だが、平凡に終わった一日もある。大変だが、充実した一日もある。「人間にとって最大の幸福は――自分が、一年の終わりには一年の初めと比べてよりよき人間となっていると感ずること」(北御門二郎訳)。文豪トルストイの書きとどめた言葉が胸に染みる▼奄美大島の広布の功労者である76歳の壮年に、日記を見せてもらったことがある。日々の出来事がきちょうめんな字で、B4判の大学ノートにびっしりと綴られていた。ノートは何十冊もあった。21歳から書いているという▼壮年は「この日記を開けば、わが人生の生き方がはっきり見える」と呵々大笑。次の瞬間、真顔となった。「偉大な師匠と共に歩む人生が、いかに幸福で素晴らしいか――。子どもたちに言うんです。俺の生き方を読み取ったら、この日記は焼いてもかまわん、と」▼御書に、膨大な経典は「我身一人」の生命に書き込まれた「日記文書」とある(563ページ)。来年は日記に、そしてわが命に、何を書き込めるだろうか。「私の新時代」を開く一日一日を綴っていきたい。(川)
   (聖教新聞 2013-12-28)