“世界宗教”の輝き放つ大哲学

2014年1月5日(日)更新:3
【社説】
 「世界広布新時代 開幕の年」が明けた――。今年も、国内のみならず、全世界の同志が新春を寿ぎ、晴れやかな笑顔を輝かせている。
 民族・人種の違いを超えて友情の花を咲かせる、世界192カ国・地域のSGI(創価学会インタナショナル)の同志たち。その光景は、まさしく「世界広布新時代」の到来を感じさせよう。
 グローバル化、ネット社会の拡大によって、物理的側面を中心とする世界の結びつきは近年、ますます強まっているように映る。だが一方で、国際社会は今も“分断の闇”を払拭し得ていない。

〈時代が要請する「結合の力」〉
 国家関係に強いきしみをもたらす偏狭なナショナリズム国家主義)、地域紛争の火種となりがちな民族主義……。先月、逝去した人権闘争の巨人・マンデラ氏の南アフリカでも、民主大国アメリカでも、人種間の溝はなお深い。
 どうすれば、分断のイデオロギーを克服し、「結合の力」を働かせうるのか。その時代的要請に応えることは“世界宗教”の要件であるといってよい。
 結論からいえば、差異へのこだわりを打ち破る方途は、一神教世界とは異なる「聖性(仏性=最高の境涯)」を説いた大乗経典の中で、すでに示されている。
 池田SGI会長は語る。
 ――通常考えられている仏教は“自己”のなかに聖性をみる。だが、大乗仏教の究極ではもう一歩進んで、“自己”とともに“他者”のなかにも聖性をみるのだ、と(ゴルバチョフソ連大統領との対談『20世紀の精神の教訓』)。
 他者に絶対的な信頼を置けば、自身が逆に信頼される。相手を支えようとすれば、逆に自身が支えられる。つまり「他者あっての自己」を知ることで、他者への温かなまなざしは育まれるのだ。

〈対話それ自体が人間の絆〉
 「結合」を持続させる力とは、対話を働き掛けるエネルギー、信頼や相互理解がもたらす充実感・喜びに他なるまい。そうした躍動感あふれる人間の絆こそ、世界に平和と善の連帯を広げゆく“創価のネットワーク”である。
 信頼、友情、慈悲、思いやりといった善の価値を高めつつ、「人と人」「心と心」「思想と思想」を結ぶ創価の哲学とその運動は、まさに“世界宗教”の輝きを放っていよう。
 一人一人が世界広布の担い手であるという誇りを胸に、使命の道を貫きゆく、勇躍前進の一年としたい。
   (聖教新聞 2014-01-04)