「池田会長に賛成です。『人間に帰れ』です」―エドワード氏

2013年12月24日(火)更新:1
【響き合う魂 SGI会長の対話録 第23回 アメリカ上院議員 エドワード・ケネディ氏】
●SGI会長も、(※ジョン・F・ケネディ)大統領にぜひとも伝えたいことがあった。
 それは恩師・戸田城聖第2代会長の遺訓である「原水爆禁止宣言」の内容であり、同じ「人間」という地平に立って、米ソ首脳の直接対話で、核廃絶への道を開いてほしいということであった。
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●膝を寄せ合うようにして語り合う、SGI会長とエドワード氏。そのSGI会長の言葉に、一段と熱がこもったのは、話題が核兵器に移った時だった。
 「核兵器の絶滅は、全人類的課題として取り組んでいかなければならない問題です」
 氏が答える。「まさに、その通りです。大統領になった兄のジョンが、就任の時に訴えたのが、核実験を禁止する条約の推進でした。この核軍縮の呼び掛けがあって以来、核拡散防止への具体的な流れができました」
 キューバ危機を経て、イギリス、ソ連と「部分的核実験禁止条約」を結んだのが、ケネディ大統領だった。核を制限する史上初めての条約である。
 氏は続けた。
 「私が昨日、広島で講演したのも、核兵器廃絶についてでした。これは、日米が共同して取り組むべき目的であると主張しました。日米共同の目的ということは、人類共同の目的ということでもあります」
 さらに氏は、人種差別、ベトナム戦争の泥沼化を例に挙げ、行き詰まった政治の現実を前に進める根本の力は、「道義」にあることを訴えた。
 「『道義』なき政治は無力でした。私が会長にお会いしたかったのも、この『道義の力』への関心からです」
 SGI会長は応じた。
 「ソ連の首脳も人民も人間です。中国の首脳も人民も人間です。その認識に立ち、『人類は、一つの共同体である』との国際世論を高めていくべきです。そこに、明確な目標を定めて挑戦していただきたい」
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●4年後、氏から贈られたサイン入りの自著のタイトルは『ストップ! 核戦争を止めよ』であった。
●氏は09年8月、77歳で生を全うした。生前、こう語っていた。
 「未来は、我々の人生よりも長く続いていく。しかし、自らが創る未来と共に、我々は生き続けると私は信ずる」
●暴力に打ちのめされ、毀誉褒貶にさらされても、くじけなかったのは、「高潔な志」があり、「人間の可能性」への限りない信頼があるからだった。
 その心が、SGI会長と、深く強く響き合った。
   (聖教新聞 2013-12-23)