「ちかいし願やぶるべからず」

2014年1月8日(水)更新:3
【名字の言】
 新春恒例の箱根駅伝東洋大学が4度目の総合優勝を果たした。各選手の力強い走りから、彼らの合言葉「その一秒をけずりだせ」が心に刻まれた▼彼らの強さは、まさに「一秒をけずりだす」練習に次ぐ練習から生まれたことは疑いない。言葉ははかないものであるが、そのはかない言葉を現実のものにするには、すさまじい努力がいる。いわんや人の生き方においてをや、である▼「八十路(やそじ)まで 峠を越えて ふり向けば わが足跡(あしあと) 花ざかり」。昨年、傘寿(80歳)を迎えた婦人が詠んだ歌である。彼女は昭和30年(1955年)に結婚するが、6年後、夫が病で他界。4歳と2歳と生後100日の3人の子を抱え、女手一つで、どんなに貧乏しても、信心一筋を貫いてきた▼地域の鼓笛部長として活躍した次女をはじめ、子どもたちを立派に育て上げた。現在、孫7人、ひ孫1人。もちろん宿命との戦いは今も続くが、「こんな幸せな境涯になるかね。本当に信心に無駄はありません。苦労した分、全てプラスになっています」と胸を張る▼日蓮大聖人は「ちかいし願やぶるべからず」(御書232ページ)と宣言なされた。自ら誓った願いを破らない「努力に次ぐ努力」――その積み重ねが自分をつくり、自分を強くする。(川)
   (聖教新聞 2014-01-08)