太陽の励まし 〈59〉 静岡 他
2014年1月13日(月)更新:2
【東京富士美術館30周年記念 3月30日まで 中国陶磁名品展 開幕】
●「青花魚藻文酒会壺」(元〈14世紀〉)に魅了される鑑賞者。牡丹唐草文や魚藻文が描かれている
(聖教新聞 2014-01-13、以下同)
【わが友に贈る】
「心こそ大切なれ」
素直な信心の人に
勝利の実証は燦然と!
求道の炎を燃やし
はつらつと前へ!
【希望の未来を共に! ブラジル タイの友が都内で交流】
●「日本の同志の温かさと“人情”を感じました」――30時間かけて来日したブラジルのメンバーを熱烈に歓迎(足立文化講堂で)
●八王子常勝区片倉王城本部の「未来カレッジ」。参加した男子高等部員は「世界を舞台に活躍できるよう頑張ります!」と(八王子文化会館で)
●足立文化講堂では、青年部主催のユースフォーラムを。ベンビンドス ア アダチ!(ようこそ、足立へ!)――司会の弾む声でスタート。有志による歓迎演奏に続き、有名なオペラ団体で活躍する大森絵理さんが、活動報告と「オー・ソレ・ミオ」の独唱を披露した。
●「師と心を合わせて信心に徹すれば、大勝利の人生を歩めます!」
【サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市が慶祝議会】
●サンベルナルド・ド・カンポ市の「SGIの日」慶祝議会の列席者が記念撮影(サンベルナルド・ド・カンポ市議会の小会議場で)
●国歌、市歌斉唱に続いて、発起人であるヒロユキ・ミナミ市議が祝辞に立った。
「世界の環境を変え、新たな社会を創出するためには、人間の内面の変革こそが、最も重要です。
私は、ブラジルSGIの皆さまの振る舞いから、その必要性を強く感じました。人間自身の変革という観点から環境、経済、社会の持続可能な発展を訴えるSGIに人類の希望の光明を見たのです。
皆さまによって人々の心に植えられた種は、いつの日か大輪の花を咲かせ、池田博士のような偉大な人物が陸続と生まれゆくと確信します」
【今週のことば】
「冬は必ず春となる」
試練に負けない勇気が
功徳の体験を開く。
共に励まし合い
宿命転換の希望の舞を!
【マイ ヒューマン レボリューション 〈17〉】
●「このままでは腸を摘出せざるを得ない」と医師に告げられました。
一晩中、御本尊に向かいました。不思議なことに、腸が動くように感じ、痛みを覚えました。そして再度、診察を受けると、なんと腸の機能に改善が見られ、手術の必要がなくなったのです!
●「最後は必ず勝てる。絶対に勝利者になる。これが仏法だ。これが信心だ」(先生)
【太陽の励まし 池田名誉会長と誓いの同志(とも) 〈59〉 静岡】
《君よ勝てよと富士の山》
●君よ立て 君よ勝てよと 富士の山
池田名誉会長は詠んだ。
富士を仰ぎ、富士に見つめられながら、ここ静岡で、正義と、師弟の誓願と、青年の薫陶の歴史は刻まれてきた。
●名誉会長は、世界と日本、そして静岡の青年と共に、鍛錬の汗を流してきた。
〈高校生との約束〉
●「先生、浜松へ来てください!」
静岡・浜松から来た一人の男子高校生が手を挙げた。
●東京・信濃町の学会本部(当時)で行われた勤行会。終了後、名誉会長が「何でも質問してください」と呼び掛けた時のことである。
「浜松か。浜松は大事なところだ……」
しばし黙考(もっこう)する名誉会長。そして、はっきりと言った。
「行くよ!」
大人たちには半信半疑の人もいたが、浜松の高等部は、その言葉を信じた。“歌声で先生をお迎えしよう”と早速、歌の制作に取り掛かる。
オリジナル曲「我等が誓い」がほどなく完成。放課後、公園に集まり、練習を始めた。
そんな中、名誉会長の浜松訪問が決まる。一高校生との約束は守られたのである。
●10月13日の浜松総合本部幹部会。
席上、男女高等部の60人が「我等が誓い」を披露した。
ところが、伴奏のないところに極度の緊張が加わり、歌い出しが高い音になる。おせじにも、上手とは言いがたい合唱になってしまった。
だが、マイクをとった名誉会長は、優しく包み込んでくれた。
「皆、勉強が忙しくて、なかなか練習できなかったんでしょう?分かっているよ」
「きょうは、歌ってくれた高等部の全員に、きのう発刊されたばかりの小説『人間革命』を贈呈します!」
第5巻の刊行が、10月12日だった。
「男子は大学に入学した時に、女子は高校を卒業した時に、その『人間革命』に、私が揮毫してあげましょう」
後日、第5巻が高等部員たちのもとに届いた。以降、大学合格や高校卒業のたびに、担当者を通じて、その『人間革命』が名誉会長に送られる。
そして名誉会長は、それら一つ一つに青春の指針をしたためて、送り返すのだった。
ある友には「今日も自らに挑戦 今日も苦労の連続 しかし僕には限りなき栄光が待っているから楽しいと確信して進んで来れ給え」。
ある友には「微笑 笑顔 わたしの人生に限界はない」と。
●卒業と同時に金融機関に就職した久米光枝さん(浜松総県総合婦人部長)には「英智 優美(ゆうび) 快適な動作」と。
「社会の荒波に一人こぎ出す私に、“この三つの力で勝て”と言っていただいた気がします」と久米さんは語る。
影山惠美子さん(浜松牧口県婦人部長)は、受験に失敗し、浪人することを決めた。
届いた揮毫は「青春の空 蒼い空 妙法の青草を籍(し)いて 坐(すわ)れ」。
「当時は失意のどん底。でも、先生の大境涯に触れ、大草原にいるように、心が広がりました」。
●杉山重義さん(駿通総県長)は「力と希望 快活と信念」との揮毫を受け取った。
「私の原点は、あの合唱。いつも変わらない師匠がいて、一生懸命の私たちがいる場面です。思い出すたびに、力と希望が湧いてきます」
友は「五巻グループ」(後に「飛翔グループ」として、報恩の道を歩み続ける。)
〈一緒に歌おうよ〉
●「前へいらっしゃい。おなかは、すいてないかい?」
その時の情景を、小松さんが笑顔で振り返る。「『いいえ、ちっとも』というのが鼓笛隊の口癖だったんです。でも、そう答えたのは私だけで、皆、先生に正直に『はい!』と答えてしまって」
すぐに、パンと牛乳が届けられた。
次に名誉会長は、一言、「鼓笛隊、付いていらっしゃい」。
勤行の前に、まずピアノへと向かった。
「さくら」など6曲を弾き、最後に「新世紀の歌」を弾き始める。
だが、途中で演奏を止(と)めると、「ここから、どう弾くか分かるかい」と聞いた。
富村さんが「ここだと思います」と鍵盤を指さした。
「じゃあ、君、弾いてごらん」
ところが、富村さんは頭がまっ白になり、うまく弾けない。
「すみません先生。私の楽器はファイフなんです」
父と娘が語らうような、温かな笑顔の花が咲いた。
再び「新世紀の歌」を弾き始めた名誉会長。「皆、一緒に歌おうよ!」
はつらつとした乙女の歌声が、会場に広がった。
一緒に歌おうよ――鼓笛隊の友には、“私と一緒に人生を歩こうよ”と、励ましているように聞こえた。
〈伊豆の起工式で〉
●伊豆、駿河、遠江の3国からなり、東西に広い静岡県。
そのここかしこに、名誉会長の足跡が刻まれている。
●午後4時前に到着した名誉会長は、鍬(くわ)入れし、居合わせた友と記念撮影。その後、梅原さん宅を訪れた。
共に勤行し、「絶対に学会から離れちゃ駄目だよ。10年、20年たった時、願いは必ず叶っていますよ」と。
さらに、仏間にあったピアノを借り、演奏のプレゼントまでしてくれた。
「荒城の月」に“大楠公”、そして「同志の歌」を――。
梅原さんは述懐する。「先生は『同志の歌』を3回続けて弾かれました。“君は同志だ。私と同じ心で立ち上がれ”と言われているように思えてなりませんでした」
帰り際、名誉会長は言い残した。「会館ができあがった時に、また来ます。それまで頑張るんだよ!」
会館は、75年(昭和50年)8月28日に開館式を迎えた。
到着し、車を降りた名誉会長が、梅原さんらに言った。
「約束通り、来ましたよ」
●この時、“生涯、誓いを破らぬ人に”と心に決めた梅原さん。以来39年、地域の発展に尽くし、広布に走った人生に悔いはない。
師と共に生き、師との誓いを果たしゆく時、人はかくも気高く、すがすがしい人生の満足と勝利を味わえる。
それを、静岡の同志は深く知っている。晴れやかな師弟の舞を、きょうも富士は見つめている。