学園抄 創立者とともに 第14回 寮・下宿の誇り 他

2014年1月15日(水)更新:4
【光の賛歌 印象派展企画=東京富士美術館 福岡市博物館で開幕】
〈来賓600人が絶賛 きょうから一般公開〉
ルノワール、モネ、シスレーピサロ……世界7カ国37館の名作約80点を紹介
●「光の賛歌 印象派展――パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅」の九州展が14日、福岡市博物館で盛大に開幕した(主催=福岡市博物館、RKB毎日放送西日本新聞社産経新聞社。企画=東京富士美術館)。午前11時からの開幕式には、九州各界の来賓約600人が出席し、印象派の巨匠たちの名作との語らいを満喫した。一般公開は、きょう15日から3月2日まで。
   (聖教新聞 2014-01-15、以下同)


【アフリカの世紀へ飛翔 各国で朗らかに出発】
マダガスカル
●「世界広布新時代 開幕の年」の本年、アフリカの各国のSGI(創価学会インタナショナル)メンバーも勢いよく出発している。
 アフリカ大陸の南東沖に浮かぶ“大自然の宝島”マダガスカル。首都アンタナナリボ、トアマシナやマジュンガなど5会場で新年勤行会を朗らかに開催した(1日)。ラコトハロソン支部長は「アフリカの世紀」へ飛翔する勇者をたたえた。
 中央アフリカ南アフリカウガンダナミビアでも友が集い、我らの新時代を開くことを固く誓った。


【学園抄 創立者とともに 第14回 寮・下宿の誇り】
《労苦を宝に 人格と友情を育め》
〈皆の味方だよ〉
●「私は親代わりだよ」
 創立者・池田名誉会長は日夜、寮生・下宿生に心を砕く。お腹がすいていないか。病気をしていないか。経済的に大丈夫か。
 夏はかき氷、冬はおしるこ。パン、ジュース、生活用品……。創立者の配慮や伝言が届く。
●寮生・下宿生と会食や懇談をしてきた。ある時はくじ引き大会も行い、ある時は“下宿時代”の苦労話を紹介。エールを贈る。
 「寮生活は『人間の深さ』をつくっている。それは幸せなことなんだ」
 心遣いへの御礼を述べた生徒に語った。
 「当然のことをしているのです。お父さん、お母さんから君たちを預かっているのだから。でも、そうしたことに甘えてしまって、弱々しい人間になってはいけない」
   ◇   ◇   ◇
●1968年(昭和43年)4月8日。第1回入学式の日、創立者は寮開きで「先輩は後輩を、弟のように可愛がり、後輩は先輩を、兄のように尊敬して」「世界一の寮に」と述べている。
 中高生は思春期。悩みを抱えたり、壁にぶつかったり。創立者は寮生に寄り添って励ましてきた。
 「私は皆の味方だよ。皆を守るためにいるんだ」
 83年に中学に入ったある寮生。やや素行が乱れることがあった。会食で創立者に、よく声を掛けられた。
 高校1年の時、父親が倒れた。創立者に報告をと、信濃町へ向かう。うなだれて歩いていると、目の前に1台の車が止まった。
 「どうした?」
 創立者だった。懇談の場に移り、状況を伝える。
 「なに負けているんだ。私の弟子じゃないか!」
 弱気を突かれた。約1週間後、父は息を引き取る。創立者から伝言。
 「毅然として生きなさい。私が見守っているから」
 父の命日をはじめ、何度も何度も激励が続く。
 負けてはいけない!やがて物理学博士となり、ヨーロッパの国立大学教授に。東日本大震災の後、被災地の子どもたちに“出張授業”を行っている。
 2008年10月、創立者は長編詩「大切な そして優秀な 創価学園栄光寮の英才に贈る」を発表した。
 「わが寮生は/私の永遠の息子である。/私の不二の弟子である。/私の真実の後継者である」
   ◇   ◇   ◇
●95年秋、新・金星寮が落成。10月10日、歴代男子寮生が願い続けた創立者の“帰寮(きりょう)”が実現した。「金誓(きんせい)の間」で記念集会。創立者は書を贈った。
 「金星寮
 この中より
 日本の指導者が
  世界の指導者が
       合掌」
 オックスフォード大学の寮を訪問した思い出に触れたスピーチ。
 「わがままがきかない環境で苦労することが、どれほど尊いか。人との調和、強い意志、一生の友情。寮では、それらを学び、身につけ、自分の宝とすることができる」
 「自分で目的を決め、挑戦し、『自分はやりきった』と自分で満足していく。そこに、勝利の人生がある。金星寮は、そうした屹立した人格をつくりあげる舞台である」
 ある寮生が紙をつないで“横断幕”を作った。「池田先生ありがとうございます!!」と手書きし、廊下から見えるようにして部屋の中に掛けた。
 記念集会後、部屋に戻る。紙が下ろされていた。誰かが外したのか……。肩を落とす。だが、よく見ると赤い筆跡がある。
 「謝謝!!」(ありがとう)
 創立者の返礼だった。
 2007年10月、創立者は関西創価学園寮歌「我らの城」を贈った。寮生は誇らかに歌う。
 ♪父母(ちちはは)ほほえむ
           未来へと
 創価の金星
           勝ちまくれ
 栄光寮と金星寮。それぞれの寮生が集う広間に、同じ言葉が掲げられている。
 「紳士たれ」
 創立者が「寮生活の真髄はこの一語に凝結する」と述べた永遠の指針が日々、寮生を見守っている。


〈一人も残らず〉
●朝。山の端(は)から座す光の筋の下、さっそうと自転車で駆ける女子生徒。
●「おはようございます!」
 ペダルを漕ぎながら近隣の人に笑顔であいさつ。
   ◇   ◇   ◇
●母親が入院したという生徒がいた。実家の妹に「きょうだいで団結するんだよ」と電話で激励。
 寮の中心者の生徒にも電話を促した。父親が闘病していた。娘が心配で、よく交野まで来る父だった。
 「しっかりしたお嬢さんです。安心してください」
 創立者の言葉を喜ぶ父の様子に生徒は決意した。人を安心させる歯科医に!
 やがて夢を叶え、女子学園初の“ドクター”となった。東京校の下宿生だった弟も歯科医で活躍する。
   ◇   ◇   ◇
●ある下宿生はホームシックに陥っていた。慣れない土地。人間関係も悩む。
 土曜日のこの日、週末だけでも実家に帰ろうと、放課後に教室を飛び出した。一目散に自転車置き場へ。
 あれっ?自分の自転車の荷台に、ひらひらと風になびくものが見えた。
 「大切な 娘よ 無事故でね 父」
 学園に滞在した創立者が書いたメモ。こんな私のことまで心配してくださるなんて……。
 彼女は今、語学を生かし、故郷を離れて来日した留学生の支援に尽力する。
   ◇   ◇   ◇
●2004年6月。「父の日」に際して東京校・栄光会の下宿生が作った地球儀に、創立者が和歌を詠む。
 「英才の
   誇りも高き
      創価
   栄光会の
    地球儀見つめて」
 加えて脇に記した。
 「体を大切に お母様に宜しく 61名一人も残らず勝利者に」
 寮生と下宿生を包み込む“父”の願いは、ずっと変わらない。