「その存在は抜きん出て輝いていました」

2014年2月13日(木)更新:5
【名字の言】
 大災害は人間の本質をあらわにする。だが、表れるのは、むき出しの利己心だけではない。むしろ助け合う心、「人のため」という利他心である▼東北の津波被災地へ派遣された、都市設計の専門家がいた。そこで見たものは想像を絶する破壊の跡と、家族を亡くし悲嘆に暮れる人々。避難所等を回っても、ただ寄り添い、共に泣くしかなかった▼その中で、この壮年の目に、被災者のために全身全霊で働く人々の姿が映った。学会員の医師や看護師らである。「その存在は抜きん出て輝いていました」▼懸命に働く、いや戦うといっていい、その情熱の源を知りたいと思った。彼・彼女らと話す中で、学会の歴史と精神、池田名誉会長の励ましの足跡を知る。関西から東京・中野に転居した壮年は自ら進んで入会。地域の同志に触れ確信を深めると、昨年と今年、仕事仲間の壮年2人を続けて信心に導いた▼『ファウスト』に「自分に実感がなければ、ひとをつかめるはずはない」(手塚富雄訳)という言葉がある。被災地の医師らは、社会貢献をことさら意識したのではあるまい。信仰で磨いた人間性の輝きを、おのずと放っていた。それが壮年の心を捉え、さらに次の壮年へと伝わった。素晴らしい人間革命の連鎖である。(飛)

   (聖教新聞 2014-02-13)