胸中の師と心の対話を交わす。そして自身を奮い立たせ決意を新たにす

2013年7月15日(月)更新:3
【名字の言】
 苦難と戦い、懸命に努力しても、一向に光が見えない。そんな時は決まって海に行く。靴を脱ぎ、波打ち際に立つ。そして叫ぶ。「私は絶対に負けません!」――かつて、SGIメンバーから聞いた話だ▼師匠のいる日本とは、この海でつながっている。そう思いながら、胸中の師と心の対話を交わす。そして自身を奮い立たせ、決意を新たにするという▼東北の「波涛会」(海外航路に従事する壮年・男子部のグループ)の友が震災以降、仮設住宅で写真展を行っている。会場の交渉、展示の設営、チラシ配りなどを一人で請け負い、これまで9会場で開いた▼”海の写真を見ても、つらい思いをするだけでは”とのためらいもあった。彼自身も津波で自宅を失っている。だが、海と共に生きた者同士、心は共鳴した。来場者がぽつりぽつりと語りだす。これまでの人生、今の苦悩、そして未来……。彼はじっと耳を傾ける。多くの来場者が「あんたと話せて、少し心が落ち着いた。来て良かったよ」と語って会場を後にした▼きょうの「海の日」に思う。海は人を隔てるものではなく、人を運び、人と人の心を結ぶ、と。信仰、そして師匠という確かな羅針盤を胸に、幸福を開き、希望を送る人生行路を進みゆこう。(白)
   (聖教新聞 2013-07-15)