詩 新生・東北の春を告げよう!

2014年3月2日(日)更新:4
【池田名誉会長 桂冠詩人の世界 不撓不屈の「みちのく魂」 新生・東北の春を告げよう!】
●雨雲の向こうに柔らかい光が現れ、生命の大地を温かく包んでいた。
 1985年5月20日、東北を訪れていた池田名誉会長は、秋田から田沢湖線に乗り、13年ぶりの岩手・盛岡を目指していた。眼前に広がる水田は田植えの季節。命を育て、農に生きる人々の営みが、車窓を流れていく。
 北国の春は美しい。冬が厳しい分だけ、生きる喜び、育む誇り、支え合う感謝で、心も大地も満たされる。
 東日本大震災から3年。「新生」を掲げて東北の友は進む。だがそれは、あの日を忘れるということではない。新しい決意を奮い起こして、逝いた家族や同志の分まで、幸福な自分、幸福な社会をつくり広げるということだ。
 名誉会長は東北の友に贈った。「一番厳しい冬を耐え抜いた人こそが、一番幸せな、歓喜と栄光の春を勝ち開くことができるのです」
 師と共に、大願の人生を生きて、生きて、生き抜く誓いに燃えて、みちのくの希望の春が始まる。


●春を告げよう! 新生の春を告げよう! 厳寒の冬に耐え、凍てた大地を突き破り、希望の若芽が、さっそうと萌えいずる春を告げよう! 梅花は馥郁(ふくいく)と安穏の園(その)を包み、桜花は爛漫と幸の歓びを舞う、民衆の凱歌轟く、勝利の春を告げよう!

 踏まれても、踏まれても、われらは負けない。 どんなに、どんなに、激しい試練に打ちのめされても、頭(こうべ)を上げて、われらは進む。 前へ、前へ、ただ、ただ、前へ! 怒涛がなんだ! 大風がなんだ!

 われらには、不撓不屈の「みちのく魂」がある。 わが胸中には、地湧の菩薩の闘魂が燃え、仏の慈悲の大生命が、金色(こんじき)燦然と輝いている。

 われらには、この世で果たさねばならぬ 久遠の大使命がある。 万人の幸福と社会の繁栄を築く、創価の師弟の大願がある。

 君よ! 「悲哀」を「勇気」に変えるのだ。 「宿命」を「使命」に転ずるのだ。 暁闇(ぎょうあん)を破り、わが生命に旭日を昇らせゆくのだ! 「みちのく」に春を告げる 新生の太陽となって躍り出るのだ!

 (小説『新・人間革命』第25巻、「福光」の章より)

   (聖教新聞 2014-03-02)