何があっても負けない“強い心”をもつことが、幸せの要件

2013年12月13日(金)更新:1
・『微笑は、人の心を和ませ、力を湧かせる』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20190213


【新・人間革命 若芽 四十一】
 東京創価小学校では、担任の若江幸恵が、授業の最初に、久藤智代が義足を使っていることをクラスの皆に説明した。
 “そのことで、からかわれたりすることのないように”との配慮であった。
 一九七九年(昭和五十四年)秋に、山本伸一が小学校を訪れた時、若江は、久藤を伸一に引き合わせた。
 伸一も、足の不自由な児童がいることを聞いており、会いたいと思っていたのだ。
 久藤には、どこまでも強く生きていってほしかった。人生には、辛いこと、悲しいこと、苦しいことはたくさんある。また、皆が善意の人とは限らない。むしろ、人の心を平気で傷つけたり、蔑んだりする人がいかに多いことか。
 だから、何があっても負けない”強い心”をもつことが、幸せの要件となるのだ。
 伸一は、久藤に語った。
 「足が不自由で、”辛いな”と思うこともあるかもしれないが、それを乗り越えていった時には、誰よりも”強い心””輝く心”がもてるようになるんだよ。
 あなたは、ヘレン・ケラーという人を知っているかい。目も見えない、耳も聞こえない、話すこともできないという三つの苦しみを乗り越えて、人びとに大きな希望と勇気を与えた女性だよ。
 サリバンという先生の教えを受けて、字を覚え、勉強し、アメリカで最優秀の女子大学で学んだんです。そして、世界各国を回って講演するとともに、体の不自由な人などのために、社会福祉事業に貢献したんだよ。
 ヘレン・ケラーは、自分の運命を、人びとのために尽くしていく力に変えていったんです。そこに彼女のすばらしさがある。
 あなたも、しっかり勉強して、ヘレン・ケラーのような人になるんだよ」
 伸一の言葉は、久藤の胸に深く染みた。
 めざすべき模範と理想がある人は強い。その人の心には、逆境の暗夜にあっても、希望の光が差し、勇気の火が燃えているからだ。
■引用文献
 小説『新・人間革命』の引用文献  注 「新しいルバイヤート」(『フランツ・タマーヨ選集』所収)ビブリオテカ・アヤクーチョ(スペイン語
   (聖教新聞 2013-12-07)