詩 翻れ人間の旗 蘇れ生命(いのち)の絆

2014年1月12日(日)更新:4
【池田名誉会長 桂冠詩人の世界 “新時代”の平和の行進(パレード)が始まる 翻れ人間の旗 蘇れ生命(いのち)の絆】
 おお 敬愛してやまぬ宝友たちよ―― 断じて 今こそ 万人を結ぶ“生命(いのち)の絆”を直視しよう!

 仏法に説く「縁起」の糸 すなわち“縁(よ)りて起こる”の意 この世には 何ひとつ 孤立して存在するものはない 必ず 何らかの条件に“縁って” 生起(せいき)し 存在しているのだ 親と子 夫と妻 友と友 人種と人種 人間と自然…… この共存(きょうそん)・共生の生命感覚こそ カオスの世紀末が要請してやまぬ 人類喫緊の根本課題

 仏典に「二本の葦束(あしたば)」の説話あり 互いに支え 相依(あいよ)ればこそ 二本の葦束は すくっと立つ もし 片方の葦束を除けば 共に倒れゆくは必至 彼あれば これがあり これあれば 彼がある―― 「縁起」を物語る 巧みな譬喩だ

 「個人」の自立を促した西洋文明 その光輝(こうき)の幾世紀は しかし 今や激動の黄昏を迎えんとするか エゴイズムの小波(さざなみ)は 現代社会の岸辺を崩し 分断の悲哀は 濃霧となって世情を覆う ああ 断片と化しつつある個人よ 角逐(かくちく)の果てに 共に倒れゆかんとする “小我”と“小我”の葦束よ

 君たちよ 貴女たちよ このジレンマを打破する鍵は 自らの掌中にあると知ろう 自身の堅き“小我”の殻を まず 破れ! 断固として 打ち破れ! そして 曇りなき澄明(ちょうめい)なまなざしを 友へと向けよ!

 人は 人を生かしながらでなければ 生きられない 友を生かすとき ほかならぬ自分も 真に生きる! 文化は 異文化を尊重してこそ さらに豊かな可能性を芽生えさせよう! 自然の生命(いのち)を尊重してこそ 人間もまた 生き永らえる! その相互の触発と和気(わき)のなかに 我が内なる“大我”の大地は躍動し “生命の絆”は蘇り 「桜梅桃李」の原理のままに 自分ならではの 民族ならではの 見事な花が万朶(ばんだ)と薫りゆくことを 今こそ 知ってほしいのだ

 分断から結合へ―― 対立から共生へ―― 憎悪から友愛へ―― “第二のアメリカ・ルネサンス”目指し 人間の旗掲げ 我らは進む 我らの戦いには ひとときの停滞も許されない 新たな世紀の夜明けを準備する 我が愛する地湧の友よ 君たちの手で 憧れの天地のルネサンスを!

 新生アメリカへの確かな指標 それは君たちの胸中にある その誇りと確信で 日々の課題に勝て! 日々の自分に勝て! そのたゆまぬ挑戦の一歩一歩に 理想を現実に移しゆく 着実な前進があることを 決して 決して忘れまい
 (「憧れのロサンゼルスの宝友に贈る 新生の天地に地湧の太陽」より)
   (聖教新聞 2014-01-12)