『三類の強敵は、謗法の根源苦にとらわれた姿』

〈6月24日更新:2〉

【『御書の世界』第3巻 池田大作

●名誉会長―衆生を覆う闇とは、生命の本源的な迷いである「無明」である。また「無明」ゆえに、「人間の平等な尊厳」という究極の真実・真理を明かした妙法に対して反発・敵対する「謗法」である。
無明・謗法とは、万人が仏性を持っていることへの不信であり、自他の尊厳性を否定する衝動です。
自分の仏性をも信じられない。それゆえ、根源的な自信を失い、底知れぬ不安にとらわれ、常に怯えて臆病になり、追い詰められて「窮鼠(きゅうそ)、猫を噛む」が如き攻撃性を帯びるのです。また、猜疑心に苛まれ、他の人を羨み妬む。

(中略)

●斉藤―勧持品に説かれる三類の強敵は、まさに謗法の根源苦にとらわれた姿ですね。増上慢という慢心は、いわば根源的な自信のなさ、自己否定の裏返しといえます。
末法の人々は、五濁にまみれ自己の尊厳など信じられない。だからこそ、自他の尊厳に目覚めた法華経の行者を受け入れられず、三類の強敵となって強烈に反発するのですね。