SGI会長は世界に光を送る人

寸鉄
ヨーロッパ科学芸術アカデミーから顕彰。SGI会長の思想は時代の闇照らす平和の光 (聖教新聞 2011-10-13、以下同)

【「平和の光」賞 授与式 SGI会長の謝辞(代読)】
●今、私も、心は翼となって、ヴィラ・ザクセン総合文化センターへ馳せ参じております。
●あの第2次世界大戦の最中に10代を過ごした私は、「戦争ほど残酷なものはない」と若き命に焼きつけました。
だからこそ、日本の軍国主義と戦い、獄中闘争を貫き、地球民族主義を提唱した信念の闘士・戸田城聖先生を、人生の師と仰いだのであります。
その弟子として世界を駆け巡るなかで、50年前の10月、築かれたばかりの「ベルリンの壁」の前に立ち、人類を分断する魔性との戦いを固く決意したことも、忘れ得ぬ歴史であります。
私にとりまして、「平和の光」こそ、まさに師弟不二で探求し抜いてきた人生最大のテーマであるといっても、決して過言ではありません。
「平和の光」は、いずこより生まれ出(い)ずるか? それは「対話」から生まれ出ずる。
この信条を、私は敬愛してやまぬウンガー会長と、世紀を越えて深く共有してまいりました。
●人間であれ、文明であれ、絶えず自身の殻を打ち破り、開かれた心で他者と対話し、学び合う。この積極的な「寛容の精神」の躍動のなかに真の共生があり、平和があります。
●1997年より、ウンガー会長のご提案に賛同して、私たちは、貴アカデミーとの共同プロジェクトとして、2003年まで9度にわたるシンポジウムを開催してまいりました。キリスト教と仏教、さらにイスラム教とユダヤ教を加えた「4大宗教間対話」を推進させていただいたのであります。
そして2007年には、ウンガー会長と私の対談集『人間主義の旗を──寛容・慈悲・対話』を、日本で発刊させていただきました(東洋哲学研究所刊)。
●では、「平和の光」を強めゆくために、人類が共に依(よ)って立つ根本の規範とは何でしょうか。
ウンガー会長は「生命は最高の価値であり、生命は絶対的に不可侵なものである」と明言されました。私も全く同感であります。
貴アカデミーと私たちが、「4大宗教間対話」の第1回を行ったのは、2001年の9月15日──。
あの9・11「米同時多発テロ事件」の4日後のことでありました。
宗教間対話、文明間対話の根幹も、あらゆる暴力に屈することなく、「生命の尊厳」をグローバルな価値観として、確立していくことにあるといってよいでありましょう。
●生命は、他者の生命のために尽くす時、その崇高な輝きを最も鮮烈に放ちます。
欧州をはじめ世界の皆様方から、真心あふれる励ましをいただいた東日本大震災に際しても、助け合い、励まし合い、支え合う人間の絆は、断じて揺らぎませんでした。
民衆の一人一人が、生命の尊厳の哲学を掲げて、身近な現実の舞台で、他者のためにも手を差し伸べる。いかなる混迷の深い闇にあっても、その地道にして強靱(きょうじん)なる人間主義の行動があるところ、希望の光明は必ず広がることを、私は確信してやみません。
なかんずく、その「平和の光」を赫々と広げゆく旭日の存在こそ、青年でありましょう。
ウンガー会長と私は、社会における生命軽視の風潮や暴力的な傾向に、決然と対抗していく力こそ、青年の教育であることでも一致しました。
哲学者ライプニッツも「教育こそがすべてを克服する」(高田博行・渡辺学編訳『ライプニッツの国語論』法政大学出版局)と喝破しております。
若い世代に、万人の生命に秘められた偉大な力を示し、その力を引き出すのは、教育であります。
人間と人間、人間と自然、人間と精神という生命の妙(たえ)なる連関に目覚めさせるのも、教育であります。

【新・人間革命 福光三十五】
山本室長が、磐城(いわき)に来られるということは、炭鉱で働く同志のことを、心配してくださっているからです。“常磐の炭鉱でも、夕張と同じような不当な圧迫があるなら、私が許さない”との決意で、室長は来てくださるんです。皆さん、この山本室長の心が、わかりますか!

10月13日更新:2