一人ひとりと結んだ“師弟の絆”は三世永遠

2011年12月18日(日)更新:6
【名字の言】
 日本漢字能力検定による世相を漢字1字で表す試みは、1995年から続く。今年は「絆」が選ばれた
 初回は阪神・淡路大震災の年で、「震」。自然の脅威が、そのまま凝縮された。17回目の本年は、より巨大な震災に直面しながらも、家族愛や、国内外からの支援の広がりなど、「つながり」の大切さが浮き彫りになった
 「絆」は今でこそ、良い意味で人々が口にし、活字に躍っているが、原意は、あまり良いイメージではなかった。動物をつなぎ止める綱(つな)のことを意味する。「ほだし」とも読み、自由を縛る意味が強かった。日蓮大聖人は「絆」と同じ意味の「紲(きずな)」の字を用い、「生死の紲を切る可し」(御書575ページ)と、生死への執着を断ち切り、妙法に生き抜くよう仰せになっている
 時代を経て、次第に、人と人との麗しい結びつきの方が強調されるようになった。「束縛」から「連帯」へ――そこには、人間性の光を勝ち取った先人の歴史が垣間見えるようだ
 池田名誉会長は、かつて「一人ひとりと結んだ“師弟の絆”は三世永遠である」と述べた。この世で最も強靱な絆は、三世を貫く尊い誓いで刻まれた、師弟不二の絆である。被災地の友と結ばれた絆も、必ずや未来の幸福の礎となるに違いない。 (聖教新聞 2011-12-18)