信心を真っすぐに貫けば、どんな苦難にも心が折れることはない

2013年3月28日(木)更新:3
【名字の言】
 「日蓮大聖人が詠まれた和歌を教えてほしい」。東日本大震災で被災し、仮設住宅に住む壮年部員から電話があった。和歌を書き留めた資料は、大津波で流されたという▼壮年は宮城・南三陸町志津川を舞台に、広布の活動に励んできた功労の同志だ。裏山をはい上がって津波から逃げのびた。今は内陸にある隣接市の仮設に住み、1年半が過ぎた。逆境に耐え、生活してきた中で感じていることを、電話口で語ってくれた。「信心を真っすぐに貫けば、どんな苦難にも心が折れることはない」▼大聖人が詠まれた和歌の一首に、こうある。「おのづから・よこしまに・降雨(ふるあめ)はあらじ・風こそ夜の・まどをうつらめ」(御書1486ページ)。“自ら横に降る雨はない。風こそが雨を横にして、夜の窓を打つのである”との意▼雨を人々が持つ仏性、風は信心を妨げる悪縁のたとえ。真っすぐに伸びていくべき仏性が、さまざまな悪縁によって曲げられ、成仏の大地に到達できないことを述べられた、とも拝される▼先の壮年は、大震災という、これ以上ない困難に遭っても、自分は信心を曲げることはなかったという思いから、和歌を思い起こしたのであろう。和歌を記した書面を届けると、じっと見つめて深くうなずいた。(謄)
   (聖教新聞 2013-03-28)