立場や役割は違うけれど、この仲間なくして、私たちの勝利はないのだ

2013年7月11日(木)更新:3
【名字の言】
 甲子園常連の高校として知られる東北の2校の野球部が、練習試合を行った。出場したのは、今月中旬に開幕する県大会でベンチ外となる選手たち。ベンチ入りの選手が、この日はスタンドから大声援を送った▼途中、仲間の必死のプレーに感極まった応援の選手たちが、ベンチに下りてきた。打順を控えた選手を全員が囲んで励まし、打席に送り出す。一球一打に声を張り上げ、エールを送った。試合が終わると、選手の皆が涙を流し、そして、笑顔で健闘をたたえ合う姿に胸が熱くなった。スポーツの素晴らしさを見た▼彼らは心の絆を再確認したことだろう。“立場や役割は違うけれど、この仲間なくして、私たちの勝利はないのだ”と。この練習試合は、今年で2回目になるという。大震災から復興へ歩む彼らの人生にとって、大切な経験だったに違いない▼御聖訓には「異体同心なれば万事を成し同体異心なれば諸事叶う事なし」(御書1463ページ)と。同じ目的観に立ち、心を合わせて前進する同志がいると確信できれば、発揮できる自身の力も倍加する。団結の力は、足し算ではなく、掛け算のように増えていく▼ならば、自身が「ゼロ」のままではいられない。勝利のために、勇気の一歩を踏み出したい。(城)
   (聖教新聞 2013-07-11)