真摯な気持ちで、価値創造の「対話」に挑む夏としたい

2013年7月13日(土)更新:3
【名字の言】
 病に伏した東京のある壮年に、韓国SGIの友人が言った。「ピョンドクウィヤク!」。「変毒為薬!」と励ましてくれたのだ。温かな慈愛の響きはもとより、東アジアの漢字文化圏に属する者同士、仏法の英知をじかに共有できたことに、うれしさを感じた▼壮年は、香港や台湾の友と語り合った時も、同じような経験をしていた。読み方こそ違っても、漢字を通じて意思が通じ、お互いの家族のことや、世界広布への誓いを、時も忘れて披露し合った。平和の大道を開いた池田SGI会長の行動の意義が、感謝とともに実感を伴って分かる気がしたという▼民音の「ロシア民族アンサンブル」公演で、出演した女性に話を聞いたことがある。最初に覚えた日本語は「愛」「夢」「赤ちゃん」だったと▼その理由を、彼女は、はじけるような笑顔で語った。「音楽と同様、世界共通の大切な”言葉”ですから」。音楽に生きる彼女は、言葉や文化に共通性が見いだせなくとも、人間は何かで必ず分かり合えることを、体験を通して知っていた▼「対話」は単なる「会話」とは異なる。相手と語り合うことによって、前とは違う自分に変わってこそ、意味がある。真摯な気持ちで、価値創造の「対話」に挑む夏としたい。(行)
   (聖教新聞 2013-07-13)