文化は政治や経済の付随物ではない。人間が人間である証しであり目的

2013年10月2日(水)更新:1
【名字の言】
 ボスニア・ヘルツェゴビナの首都に、“サラエボの冬”という国際芸術祭がある。来年2月で30回目を迎える。第1回は1984年。サラエボ五輪を記念して始まった▼90年代のボスニア紛争武装勢力に包囲されたサラエボでは、一般人さえ狙撃された。そうした過酷な状況下でも、芸術祭は毎年、市民の手によって続けられてきた。驚くべき歴史である▼13回目に出演した、国際的ピアニスト・舘野泉氏は感動を禁じ得なかった。“文化・芸術が自分たちを支え、未来への力となり、人と人を結ぶことを、不条理な世界の中でも信じ続け、実現してきた人々がいるのだ”と(『ひまわりの海』求龍堂)▼「文化」は、政治や経済の付随物ではない。人間が人間である証しであり、目的なのだ。池田SGI会長はつづった。「戦争は破壊。文化は創造」「戦争は死。文化は生」「戦争は憎しみ。文化は愛」「戦争は国家主義。文化は人類主義」――と▼この秋、SGI会長が開いた文化運動が、相次ぎ佳節を迎える。今月18日は民主音楽協会の創立50周年。来月3日は東京富士美術館の開館30周年。「文化を守る」とは、平和をはぐくみ、人間を守ることにほかならない。ここに、創価の文化運動の揺るがぬ信念がある。(馨)
   (聖教新聞 2013-10-01)