励ましも、友を思う“心の輝き”を損なうことなく届けたい

2013年10月3日(木)更新:3
【名字の言】
 上空を飛ぶ機内から東北の夜景を見た。家々の明かりが宝石のように輝き、家路に就く車のヘッドライトが、幾筋もの光線となって四方に伸びていた▼人々が生きている。街が動いている――そう思うだけで胸が熱くなる。東日本大震災の直後、東北の街や、被災に耐える人々の心は、安らぎの明かりがない闇の夜だった▼一昨年の大震災は「春分の日」の10日前に起きた。きょう3日は「秋分の日」から10日後にあたる。春分秋分の日は、昼夜の長さがほぼ等しいとされる。ならば「3・11」の夜は、きょうの夜と、ほぼ同じ長さだったということになる。だが、あの日の夜の長さは、単なる時間では計りがたい▼真っ先に駆けつけ、共に涙し、今も復興の軌跡に寄り添い続ける同志。連日、渾身の激励を送り、弟子の勝利を待ち続ける師の存在……東北の友は“福光の輝き”の尊さを知っている▼照明の世界では、光度そのものを「カンデラ」という単位で表し、どれほど明るく感じるかという照度は「ルクス」を使う。励ましも、友を思う“心の輝き”を損なうことなく届けたい。そのために、光を送る側も心を磨こう。悩める友に歩み寄ろう。心が近づくほどに、友の未来への希望も明るさを増すはずだ。(城)
   (聖教新聞 2013-10-03)