自分自身に勝っている限り、その人は『王者』なのである

2013年10月10日(木)更新:1
【名字の言】
 なぞなぞがある。「破っても破っても、叱られないもの、なあに?」。答えは「記録」。叱られないどころか、破ると褒められる▼プロ野球では今季、2人の若者が先人の大記録を破った。東北楽天田中将大投手は、稲尾和久氏のシーズン連勝記録を56年ぶりに破り、8日で24連勝。昨季からは28連勝だ。東京ヤクルトバレンティン選手は60本塁打を放ち、王貞治氏らのシーズン最多本塁打記録を49年ぶりに更新した▼田中投手は、大記録を打ち立て、リーグ初優勝を飾った後も、「変わらず全力で、一つ一つ積み重ねていきたい」と自身のブログにつづった。一流のスポーツ選手には、共通する姿勢がある。対戦相手に勝つことには、もちろんこだわるが、勝っただけで満足しないことだ▼対戦相手との勝敗は、相対的な力関係で決まる。それよりも「自分に勝ったか」に執着する。“昨日までの自分を越えよう”と努力する才能を持った人を、一流と呼ぶのだろう▼池田名誉会長は「今、どんな境遇にあったとしても、自分自身に勝っている限り、その人は『王者』なのである」と。小さな自分を打ち破る挑戦を、私たちも開始したい。「破っても叱られないもの」。それには「自分の殻」という答えもある。(潔)
   (聖教新聞 2013-10-09)