曇り空にも、嵐の時にも、太陽は輝いている

2013年10月20日(日)更新:5
【名字の言】
 東京創価小学校で過日、行われた運動会。児童たちの熱戦を見守るように、上空には、太陽の周りを虹の輪が囲む「日暈(にちうん)」が現れた。巻層雲(けんそううん)という薄雲が広がる時、雲の中の小さな氷の結晶がプリズムの働きをして、入射する光線を七色に反射させてできるそうだ▼画家ゴッホは活動の拠点をパリから南仏アルルに移した時、燦々と降り注ぐ陽光に魅了された。「感覚は鋭くなり、手は機敏に、目は注意深く、そして頭脳はより明晰になる」(ロバート・ウオレス著、中原佑介監修『巨匠の世界 ファン・ゴッホ』)▼芸術的才能は泉のように噴出し、滞在15カ月で、『ひまわり』『はね橋』など、約200点の油絵と数十点の素描(そびょう)を描き上げる。傑作の数々は、光と色彩のエネルギーに満ちあふれていた。アルルの太陽に導かれ、彼もまた、芸術の光となった▼地上にも、人が大いなる飛躍を遂げようとする時、励ましを送ってくれる太陽がある。その最たる存在こそ師匠である。師匠の慈愛の光を浴びて、弟子の胸中に秘められた無限の可能性は、プリズムとなって個性豊かに七色の光を放ちゆく▼曇り空にも、嵐の時にも、太陽は輝いている。「君よ勝て」と、見守ってくれる人に応えゆく人生も、尊い光を放っている。(朋)
   (聖教新聞 2013-10-20)