前を見ようとすれば、この世は喜びに満ちている

2013年10月24日(木)更新:4
【名字の言】
 児童発達支援センター・しいのみ学園(福岡市)創設者のしょう地三郎氏は、明治生まれの107歳。99歳から毎年のように世界中で講演。101歳から始めたロシア語をはじめ、六つの外国語に親しむバイタリティーに脱帽する▼その氏が、死を考えるほど打ちのめされたことがある。長男に続き、次男にも障がいがあると分かった時だ。葛藤は同学園の創設につながる。障がい児のための教育制度が不十分だった昭和20年代のことだ▼「苦しさを踏みつけて、その上で踊っている」――当時をこう振り返った。氏は、子どもを抱いて死を考えるほどの苦しみを「踏みつけて」生きる、「愚痴をいわない」と誓った。前を見ようとすれば、この世は喜びに満ちている、と(『106歳のスキップ』亜紀書房)▼そういう氏だからこそ、池田名誉会長の足跡を「すべての人間の心の内に潜む活力を奮い起こさせる、類まれな指導者」とたたえてやまない▼シイの実は、とるに足らないものとして踏まれるけれど、水と太陽で殻を破り、見あげるような大木になる――それが「しいのみ学園」の由来という。苦しんでいる人、虐げられている人の味方となり、その人々が蘇生しゆく姿を喜びとし、宝物とする。創価の心も同じである。(行)
   (聖教新聞 2013-10-24)