植樹は、心に希望を植えることでもある

2013年11月3日(日)更新:1
・『一人ひとりに笑顔を向け、声をかける――そこから、心の扉が開かれる』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20180830


【新・人間革命 若芽 七】
 山本伸一は、東京創価小学校の児童と、学年ごとに記念撮影し、最後に教職員ともカメラに納まった。
 それから正門の近くに移動し、開校を記念する植樹に臨んだ。用意されていた数本の木のなかに、「王子の木」「ひめの木」と毛筆で書かれた立て札のある、ソメイヨシノがあった。
 この木の名は、前日の八日、伸一が小学校を視察した時に、校長の新木高志に頼まれて、命名したものである。
 伸一が見守るなか、「王子の木」には男子児童の代表が、「ひめの木」には女子児童の代表が土をかけた。
 伸一は、植樹された二本の桜を、じっと見つめながら、子どもたちに言った。
 「二本とも、正門を入ると、すぐ目につくね。この木がどんどん大きくなって、見事な大樹になる時、君たちも社会で活躍するようになっているんだね。楽しみだな。君たちも、この木と一緒に大きくなるんだよ」
 植樹は、心に希望を植えることでもある。
 「では、万歳をしよう!」
 伸一の提案を受け、皆で万歳を三唱した。青空に、児童たちの快活な声が舞った。
 伸一は、子どもたちに語り始めた。
 「私は、皆さんと、毎日、お会いするわけにはいきませんが、創立者として、可能な限り学校に来て、そっと皆さんを見守っていきます。実は、昨日も学校に来たんです。その時、新木校長先生から、今、記念植樹した桜の木をはじめ、道や庭など、学校の各所に名前をつけるように言われました。私は、『少しでも皆さんの学校生活が楽しくなるのであれば……』との思いで、喜んで命名させていただきました。
 グラウンド横の通学路は『おとぎの道』です。校庭は『ほがらか庭園』としました」
 「ほがらか庭園」には、どんな時も朗らかに、強く、伸び伸びと学び、育ってほしいとの願いが込められていた。
 名をつければ、そこに、新しい意味が生まれる。夢が大きく膨らんでいく。
   (聖教新聞 2013-10-28)