教育は、未来を見すえることから始まる

2013年11月28日(木)更新:1
・『大樹に育ったならば、大きく枝を広げ民衆を守り報恩の誠に生きるのだ』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20181206


【新・人間革命 若芽 二十八】
 創価一貫教育完成の祝賀会は、参加者全員の万歳三唱をもって終了した。山本伸一は、再び東京創価小学校に戻り、幼稚園から大学までの教員の代表と懇談会をもった。
 彼は、ここでも、創価中学・高校の開校から十年、建設期の苦闘を共に担い、人間教育の土台を築いてくれた教員たちに、心から御礼と感謝の気持ちを伝えた。
 そして、教育にかける自分の真情を語っていった。
 「人類の未来のために、最も大切なものは何か。それは、経済でも政治でもなく、教育であるというのが、私の持論です。
 人類の前途は、希望に満ちているとは言いがたい現実があります。長い目で見た時、今日の繁栄の延長線上に、そのまま二十一世紀という未来があると考えるのは間違いです。社会の在り方、さらには、文明の在り方そのものが問われる大転換期を迎えざるを得ないのではないかと、私は見ています。
 したがって、深い哲学と広い視野をもち、人類のため、世界の平和のために貢献できる人間を、腰をすえて育て上げていく以外に未来はありません。そのための一貫教育です」
 伸一は、教員たちに、一貫教育を行うことの、本当の意味をわかってほしかった。
 教育は、未来を見すえることから始まる。
 「いよいよ創価教育の流れは、二十一世紀を開く人間教育の第二期に入ります。各校を盤石なものにしていくうえで、いちばん大切なことは団結です。団結には、中心となる心棒が必要です。
 どうか校長や学長など、中心者を団結の心棒とし、力を合わせて前進し、発展、向上させていくよう、よろしくお願いします」
 ここで彼は、教職員は、中心者を守り、支えるように望む一方で、中心者には、教職員が、どんなことでも言える、和気あいあいとした場をつくっていくように要望した。
 さらに、平和と文化を推進する二十一世紀の指導者を育てるという、“創立の原点”を忘れないでほしいと、訴えたのである。
   (聖教新聞 2013-11-22)