生きるということは、自分の歴史を創っているということなんだよ

2013年12月1日(日)更新:1
・『褒め讃える多くの尺度をもつことが大事になる』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20181213


【新・人間革命 若芽 三十】
 山本伸一は、東京創価小学校の校長の新木高志たちから、折々に、児童の様子について、報告を受けることが楽しみでならなかった。そして、そのたびに、小学校を訪問する機会を待ち遠しく思うのであった。
 伸一が、入学式に続いて小学校を訪問できたのは、七月四日であった。
 この日、正面玄関近くの「天使の庭」に設置された、「エンゼル噴水」の通水式が行われることになっており、学校側から出席の要請があったのである。また、三日後の七日に開催される、「七夕のつどい」のリハーサルも行われるとのことであった。
 午後一時前、伸一の乗った車は、小学校に到着した。
 「こんにちは!」
 子どもたちの元気な声が響いた。五十人ほどの三年生が出迎えてくれた。
 噴水の前には紅白のテープが張られ、既に通水式の準備ができていた。
 「おめでとう! さあ、始めてください」
 男子児童と女子児童の代表がテープカットすると、十六本のノズルから、一斉にエンゼルの像が置かれた中央の台座に向かって、勢いよく水が噴き出した。
 子どもたちの歓声があがった。跳び上がって喜ぶ子もいた。伸一は、その児童たちが、可愛くて、可愛くて仕方がなかった。
 “この子たちの未来のために、断じて平和の大道を開かねばならない……”
 彼は、固く決意しながら、皆に言った。
 「こうやって一つ一つ、創価小学校の歴史を創っていこうね。生きるということは、自分の歴史を創っているということなんだよ。そして、最高の歴史を創るためには、勇んで困難に挑戦していくことが大事です。偉人というのは、困難に挑んだ人なんです。
 今日は、一緒に、楽しく遊ぼう!」
 彼は、教員の代表との打ち合わせをしたあと、マルチパーパスルームに姿を現した。まだ、体育館がないために、全校的な催しは、この部屋を使って行われていたのである。
   (聖教新聞 2013-11-25)