ありがとうを言うたびにあなたの心は光ってくる。体にも生命力がわく

2013年12月1日(日)更新:5
【名字の言】
 彼女の両手の指は1本ずつしかない。幼いころから「手なし」といじめられた。隣家のおばさんが抱きかかえて言った。「悪口を言う人が、あなたの悪いところをみな持っていってくれるのよ」▼素直にそう思えた彼女は泣きながらも、いじめっ子に「ありがとう」と言った。こう振り返る。「『ありがとう』と返した言葉に、私自身が支えられていたように思えてならない」「自分の障がいを憎むことも、苦しみです。一人ぼっちも、苦しみです。そうした苦しみを乗り越える力が、『ありがとう』にはあります」▼本紙の体験のページで紹介された彼女が、自らの半生を綴った本『私を支えた「ありがとう」の言葉』(小学館集英社プロダクション)は、人はかくも強くなれるのか、と教えてくれる。彼女は、福祉相談員を20年以上務め、多くの人に生きる力を送る▼「『ありがとう』と素直に言える心は健康である。だから『ありがとう』を言うたびに、あなたの心は光ってくる。体にも生命力がわく」と池田名誉会長。感謝の心には、人生に対する大いなる肯定がある▼彼女は今、両親の心を支えた次の言葉を、かみしめている。「この世に生まれてきたのは、決して偶然ではない。その人にしかできない使命がある」(川)
   (聖教新聞 2013-12-01)