自分の思いを体で表現し、ぶつかってくる。子供らしいではないですか

2013年12月29日(日)更新:1
・『強き責任感は、即行動となって現れる。行動のともなわぬ一念はない』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20190416


【新・人間革命 若芽 五十四】
 山本伸一は、校長の新木高志や児童らとグラウンドへ向かった。
 伸一の周りに集まった児童たちは、歓声をあげて彼にしがみついてきた。
 「わかった、わかった! みんな、私を待っていてくれたんだね。では、相撲を取ろう」
 「ワァー」と、声があがった。
 伸一は、一年生の児童と相撲を取った。すると、皆が突進してくる。彼の新しい背広が、もみくちゃになってしまった。
 「降参、降参! 今日は、みんなで記念撮影をして終わりにしよう」
 新木校長が、恐縮しながら言った。
 「先生。子どもたちが非礼な振る舞いをして、申し訳ありません」
 「いいんです。まず、元気で率直であることが大事です。自分の思いを体で表現し、ぶつかってくる。子どもらしいではないですか。ましてや、私は創立者です。みんなの父親であると思っています。私と創小生との間には、垣根も、敷居もないんです。
 率直に、のびのびと、自由に自己表現できるようにしたうえで、礼儀を教えていけばいいではありませんか。人前に出ると緊張し、借りてきた猫のようになってしまうのでは、堂々たるリーダーには育ちません」
 全校児童がグラウンドに集まり、伸一と一緒に記念のカメラに納まった。
 「みんなが元気で嬉しい。また、お会いしましょう」
 こう言って伸一は、校舎に入り、保健室をのぞいた。休んでいる児童は誰もいなかった。
 彼は、校長らに語った。
 「保健室に来た子どもには、こまやかな注意を払ってください。たとえば、頭痛を訴える児童がいたとします。風邪や睡眠不足などによることもあれば、精神的なストレスによる場合もあります。また、大きな病の初期症状ということもあるでしょう。先入観で“大したことはないだろう”と考えるのではなく、さまざまな事態を考慮しての対応が大事です。それが、児童を守ることにつながります」
   (聖教新聞 2013-12-24)