此の人も又しかるべしと哀れに思いし故に思い切つて強強に申したりき
かかる悪所にゆけば王位将軍も物ならず獄卒の呵責にあへる姿は猿をまはすに異ならず、此の時は争か名聞名利我慢偏執有るべきや
(新池御書P1439)
日蓮が弟子に少輔房と申し能登房といゐ名越の尼なんど申せし物どもは欲ふかく心をくびやうに愚癡にして而も智者となのりし奴原なりしかば事の起こりし時たよりをえて多くの人を落せしなり(中略)なかなかしき人の信ずるやうにて乱語て候へば人の信心をもやぶりて候なり
(上野殿御返事P1539)
方人なるやうにてつくりおとして我も笑ひ人にもわらはせんとするがきくわいなるに
(同P1540)
世間には、慈悲のある振りをしながら、仮面の下では、同志を見下し軽蔑する深い無明に覆われた人がいる。師匠を求める心がなく、その本質は欲望、慢心、不信、疑い、勝他、名聞名利である。そのような人に、信頼を寄せて相談等するであろう方々が不憫でならない。
奴婢(ぬび)と為って持者に奉(つか)えよ
(顕立正意抄P537)