『光は詩う』

「光」が噴き上がっていた。「命」が噴き上がっていた。
青春は、苦しい。悩みばかりだ。しかし、悩みがあるから、心は育つ。うんと悩んだ日々こそ、一番不幸だと思った日こそ、あとから振り返ると、一番かけがえのない日々だったとわかるものだ。だから苦しみから逃げず、苦しみの真ん中を突っ切って行くことだ。それが森を抜ける近道だからだ。
寂しければ、その寂しさを大事にすることだ。寂しさや悲しさを、遊びなんかで、ごまかすな。使い捨てるな。耐えて、耐えて、自分を育てる「こやし」にしていけ。
逃げたくなることもある。でも、雪柳は動かない。雨の日も、寒風の日も、じっと自分の場所で根を張って頑張っている。頑張り抜いたから、みんなのほうから「きれいだねぇ」と来てくれる。人間も、魂の根を張ったところが「自分の故郷」になる。完全燃焼したところが、心が安らぐ「自分の居場所」になる。

感謝できる人は幸せな人だ。雪柳は太陽への感謝を忘れない。太陽は、いつも惜しみなく光を注いでくれた。いつも、ありのままの自分を、そのまま受けとめ、光で包んでくれた。だから今、雪柳は「太陽への恩返し」のように、明るく周囲を照らしている。

人間だって、花と同じように、水がいる。自分で自分を励ましたり、喜ばせたり、心を生き生きさせないと、心は枯れてしまう。自分で自分を励ませる人は、すてきな人だ。人のつらさも、わかる人だ。自分で自分を喜ばせる言葉を、強さを、賢さを!落ち込んだ心を、よいしょと自分で持ち上げて!自分で自分を好きになれないと、人だって愛せない。

運命は外からやってくるんじゃない。君の心の中で毎日、育っているのだ。毎日がつまらない時。それは自分が、つまらない人間になっているからかもしれない。人生をむなしく感じる時。それは自分が、からっぽの人間になっているからかもしれない。人生に、うんざりした時。人生のほうが君にうんざりしたと言っているのかもしれない。人間は結局、自分自身にふさわしい人生しか生きられない。

世界のどこかに、君にしかできない使命が、君の来る日を待っている。指折り数えて待っている。待たれている君は、あなたは生きなければ!めぐりあう、その日のために!
輝くためには、燃えなければならない。燃えるためには、悩みの薪がなければならない。青春の悩みは即、光なのだ。
雪柳も、冬の間に積もった冷たい「雪」たちを、枝から染み込ませて今、「花」に変えて噴き出しているのだろうか。中国では、その名も「噴雪花」という。



2月15日更新