「恐れるな!強き祈りが打開の力」

橋本さんは徹底的に打ちのめされた。御本尊に向かうも放心状態。心はどんどん悲観的になっていく。“あぁ、もうこれで終わった!”
(中略)
「3月までには何としても解決してみせる!」と決意する功実子さんに支えられて、必死に祈り続けた。いつしか、目標とした「3・16」も過ぎていた。
「忘れもしない3月22日のことです」と橋本さんは振り返る。題目を唱えるものの、生命は苦悩のどん底をさまよっていた。落ちるところまで落ちた、といった、敗北感と無力感。悔し涙を流しながら、どれほど唱題したことか。ふと功実子さんが示してくれた学会指導――「師匠のため/同志のため/広布のために/強き祈りが『拡大』の出発点」が目に飛び込んできた。
すると、いつしか自分を締め付ける苦しみも、悔しさも、どこかに去り、御本尊に赤子のような無垢な気持ちで向かっている自分に気がついた。
“何を恐れることがあるんだ。事務所がどうの、仕事がどうの、小さいことじゃないか。先生のため、同志のために、断じて勝とう!”
「この時、自分の命の中で、まさに音を立てて新たなギアが回転を始めたんです」「不思議なことですが」と橋本さんは言う。その日を境に、それまで手を打ってきたことが、結果となって現れ出したのだ。
(中略)
「ともかく、自分のことだけにきゅうきゅうとする小さな境涯を破り、師匠・同志・広布のために立ち上がった時、自らの世界は大きく開ける」。それが、この闘争の中で得た橋本さんの確信である。


(聖教新聞 2010-02-19 5面)



2月19日更新