「人間革命」こそ21世紀のキーワード

●名誉会長─革命にも、いろいろある。政治革命、経済革命、産業革命、科学革命、芸術の革命、流通や通信の革命、その他、さまざまです。それらはそれらなりに、意義があり、必要な場合もある。しかし、何を変えても、一切を動かしている「人間」そのものが無慈悲で、利己主義のままでは、世の中がよくなるわけがない。
だから人間革命というのは一番、根本の革命であり、人類にとって一番、必要な革命なのです。
戦争直後、東大の総長(南原繁氏)が「人間革命しなければならない」と言ったことは有名です。ペッチェイ博士(ローマクラブの創設者)も、「人間変革・人間蘇生・人間復興」が必要と述べていた。世界の多くの知識人は、皆、ここにたどり着いている。
●木村─先日、先生と対談されたアマゾンの詩人チアゴ・デ・メロさんも「『詩人として、もはや感動することはない』と思っていたのに、(池田先生の)『人間革命』という思想に触れた時は、何十年ぶりの感動でした」と語っておられました。
●名誉会長─これからの世界の一番の焦点です。人生観・社会観・平和観等々、すべて新しい善の方向にもっていける精神そのものが人間革命なのです。「人間革命」は、21世紀のキーワードであると私は信じている。
●井桁─普通に成長していくのと、人間革命とは、どう違うのでしょうか。
●名誉会長─「革命」は英語で「リボリューション」。「ひっくり返す」という意味です。急激な変化を意味している。
人間が少しずつ、年とともに成長するのは自然の流れです。それを一歩、越えて、急速に善の方向に変わっていくのが「人間革命」です。どんどん、よくなる。また一生涯、永遠に、成長していける。「ここまで」という行き詰まりがない。そのためのエンジンとなり、原動力となるのが信仰です。

(『青春対話』 池田大作)