“励まし”こそ学会発展の源

【勇気の泉 49 小説「人間革命」「新・人間革命」から】
〈1961年(昭和36年)2月、山本伸一はインドを訪問。カルカッタ(現在のコルカタ)の宿舎で、生前、戸田城聖が懇意にしていた実業家と会う。「学会の発展は、組織化したことにある」と言う実業家に、伸一は訴える。〉
「一面では確かにその通りかもしれませんが、それだけではないと思います。
組織ならどこにでもあります。会社も、組合も、すべて組織です。そして、組織化すれば、うまくいくかといえば、逆の面もあります。組織は整えば整うほど硬直化しますし、官僚化していくものです。
組織というのは、人間の体にたとえれば、骨格のようなものではないでしょうか。必要不可欠なものですが、それだけでは血は通いません。
戸田先生の偉大さは、その組織を常に活性化させ、人間の温かい血を通わせ続けたことだと思います。
具体的に言えば、会員一人ひとりへの励ましであり、指導です。
私の知っているだけでも、先生から直接、指導を受け、人生の最大の窮地を脱し、人間として蘇生することができたという人が、何万人といます。
苦悩をかかえて、死をも考えているような時に、激励され、信心によって立ち上がることができたという事実――これこそが学会の発展の源泉です。
同志が戸田先生を敬愛したのは、先生が会長であったからではありません。先生によって、人生を切り開くことができた、幸福になれたという体験と実感が、皆に深い尊敬の念をいだかせていたんです。
ゆえに、それぞれが戸田先生を自身の師匠と決めて、喜々として広宣流布の活動に励んできたんです」 (『新・人間革命』第3巻 「平和の光」の章)
(聖教新聞 2011-10-10)

10月10日更新