池田博士の人間革命の思想に共鳴

寸鉄
SGI会長にフィリピンの国立大学から終身名誉教授。「人間精神の内なる可能性を開発」 (聖教新聞 2011-10-14、以下同)

【国立中央ルソン大学「終身名誉教授」称号授与式から セビリェハ学長のあいさつ】
●本日の式典が、誠に特別で意義深いのは、本学が初めてこのような顕彰を、世界的に著名な哲学者、平和建設者、教育者、作家、詩人であり、受章に最もふさわしい人物に授与させていただくからであります。
この顕彰は、池田博士が提唱される理念、とりわけ、「生命の尊厳」を恒久平和と人類の幸福を実現するための鍵として掲げられる博士の信念に対する、本学の無条件の敬意、承認、支持を表しています。
池田博士が、小説『人間革命』の中で雄弁に明言されている通り、“一人の人間における内なる生命の変革”こそが、全人類の宿命を転換し、やがて世界平和へと結実していくのであります。
言うまでもなく、この過程において教育が極めて重要な役割を果たします。それは、まさに創価一貫教育が推進されている通りであり、池田博士がデイビッド・クリーガー博士との対談集『希望の選択』で、「人間に、“国益への忠誠”を植え付けるのも教育であり、反対に、“人類益への忠誠”を育むのも、教育です」と言われている通りであります。
池田博士のような高名な方が、名誉教授として教授陣に加わってくださることにより、本学にこの上ない栄誉を与えてくださいました。
また、本日、誠に意義深い式典を挙行してくださり、大変に温かい歓迎と歓待を賜りました。皆さまのご厚意に、心から御礼申し上げます。誠にありがとうございます。
私にとって、この授与式を執り行わせていただくことは、光栄の至りであり、最高の栄誉であります。

SGI会長の謝辞(代読)】
●激務の中、わざわざ日本で、かくも厳粛な式典を執り行ってくださった、セビリェハ学長夫妻のご厚情を、私は一生涯、忘れません。誠に誠に、ありがとうございました。
●牧口先生は、“生命を育む農業こそ国家の基礎”であり、幾多の試練に屈せず農業を担い立つ人々こそ、「真摯」「朴直(ぼくちょく)」にして、郷土を愛する「平和の民」なりと讃えてやみませんでした。そして、貴国をはじめ東洋の「平和の民」を苦しめ抜いた日本の軍国主義と戦い、殉じていったのであります。
●「農民の幸せな笑顔が、その国の幸福を決める」「農業を大切にしない社会は、生命を粗末にする野蛮な社会となり、全ての面で行き詰まる」──。
これは、貴国に創設された国際稲作研究所の所長等を歴任され、持続可能な「緑の革命」を推進してこられたスワミナサン博士と私が、対談集で完璧に一致した農業哲学であります。
私は、命の食を支え抜いてくださっている、貴国また日本の農漁村の敬愛する友人たちとの連帯の心を、一段と深め、強めながら、貴大学の名誉ある一員とさせていただきます。
●農業の分野でも不滅の足跡を残したリサール博士は叫びました。
「フィリピン人が最初に要求すること──それは『強い』ことである」
さらに、「団結、善意、そして思いやり──私たちが必要なのは、これだけである」と。
●学長は、教育は「偉大なイコライザー(等しくするもの。平衡装置)」と論じておられます。
すなわち、「一人の人間が教育を受ければ、自身の人生を向上させる機会を得るだけではなく、その教育によって培ったものを、他者を助け、私たちが住む世界をより良き場所にするために使うことができる」との確個たる哲学であります。
大乗仏教の最高峰である法華経にも「如我等無異(我が如く等しくして異なること無からしめん)」と説かれております。
仏の誓いとは何か。すべての人間に内在する尊極の生命を開き、万人を平等に、仏と同じ境涯へと高めていくことであるというのであります。
教育の真髄は、万人の生命から、最も輝かしい光を解き放つことであります。そして、その光を、人類の幸福と世界の平和のために結合しゆく挑戦ではないでしょうか。

10月14日更新:3