日蓮の思想は“人類の財産”─識者

【世界広布の勝利の並木道 71 五大部の現代語訳、御書のフランス語版 妙法の大光で地球を包む】
〈新たな時代に即応〉
吉井─「大白蓮華」11月号から、御書五大部の現代語訳の連載が始まりました。
杉本─うれしいことに、池田先生が監修してくださっています。
橋元─本当に楽しみです。「観心本尊抄」からスタートし、「報恩抄」「撰時抄」「開目抄」「立正安国論」が順次、掲載されていきます。
棚野─いまの青年世代、なかんずく続々と誕生している新入会のメンバーにとっては、より身近に、より深く、日蓮大聖人の御精神を拝することができるものです。
杉本─大聖人がいらっしゃった鎌倉時代と今日では、当然、社会状況が大きく異なります。当時のできごとや習慣、考え方も考慮しながら、21世紀に生きる私たちにも分かりやすい表現・内容となっています。
原田─言うまでもなく、今日、世界192ヵ国・地域まで創価の連帯が広がったことは、大聖人の仏法が時代と国境を越えた普遍性をもち、万人の仏性を開いて、幸福へと導く偉大な法であることを証明しています。ゆえに、日蓮仏法を正しく弘める唯一の団体である創価学会にとって、常に新たな時代に即応して妙法流布を展開していくことは重大な責務です。
正木─大聖人の仏法の根幹は不変です。その上で、仏法の魂をその時代の人々に分かりやすい形で展開し、後世へと伝えていくことが重要です。その意味で、今回の御書五大部の現代語訳は時宜にかなった取り組みですね。

〈海外の友とともに〉
棚野─さらに、欧州広布50周年を記念して、フランス語版『御書』が完成しました。
吉井─フランスの著名な仏教学者であり、パリ・カトリック大学元副学長のドゥニ・ジラ博士が総合監修を務めてくださいました。
杉本─ジラ博士は、1989年に池田先生がフランス学士院で行われた講演「東西における芸術と精神性」に同席されていたと伺いました。
原田─そうです。昨年、私もお会いしました。ジラ博士は、このようにおっしゃっていました。
日蓮が何を語り、伝えようとしたのかに耳を傾ければ、そこには、信仰の違いを超えて、万人に訴える深い共通基盤となり得る“精神闘争の歴史”があり、“人類の共有財産”ともいうべき貴重な思想があります」と。
正木─長期間にわたって御文翻訳の監修に携わってくださった碩学の、重みのある言葉です。
原田─さらに博士は、こう述べられました。
日蓮の御書は、自身の“内面的な闘争”“精神闘争の旅”をたどることのできる素晴らしい一書です」
末法という時代の要請する“切実さ”“緊急性”こそが日蓮の使命感を理解する重要なポイントです。法華経の説く真理を何としても伝えたいという日蓮の熱意にあふれている御書は、私ども現代のキリスト教徒にとっても、新たな発見をもたらしてくれる重要な一書です」と。
吉井─これまで翻訳・出版されてきた英語、中国語、スペイン語などの御書とあわせて、日蓮仏法の智慧が全世界を包むように、さらに広がっていくことになります。
棚野─日興上人は「本朝の聖語も広宣の日は亦(また)仮字(かな)を訳して梵震(ぼんしん)に通ず可し」(御書1613ページ)と記されています。大聖人の御書も、広宣流布の時には日本語を訳して世界に伝えるべきである、との仰せです。
正木─未来へ、そして世界へ、御書根本に大聖人の御精神を正しく伝えているのは学会だけです。日顕宗などでは断じてない。
(聖教新聞 2011-10-24)

10月24日更新:2