具体的な祈りで突破!

2011年11月15日(火)更新:3
【全てを失った時 真の唱題が始まる 経済苦、フリーターから事業統括部長へ】
●先輩は静かに語った。
「今は、何も希望がないかもしれない。けれど、だまされたと思って10年間、この信心を真剣にやってみてほしい。絶対に、願った以上の自分になれるから」
●この目標をかけて、折伏に挑戦した。不思議なことに、対話を進めるほど、どの相手も自分と似たような経済苦にあることが分かる。また自分にも、つい金銭を無駄遣いしてしまう一面があるということも見えてくる。“宿命”という言葉が妙に納得できた。
やがて、思う。
この経済苦も、親だけではない。自分自身の宿命なのかもしれない。だが、それなら、自身で乗り越えることもできるはずだ──。
日々の唱題に、さらなる力が入った。
●やがて、知人を通じて、ある会社に採用が決まる。従業員3人の小さな中古品回収業者だった。
“祈っていた条件と、まったく違うのでは……”
だが、先輩は言う。
「祈りきって決まった結果だ。そこに使命があるなら、必ず祈ったとおりの環境にしていけるよ」
その言葉を信じ、努力を重ねた。「愚痴は福運を消し、感謝の唱題は、万代の幸を築く」──池田名誉会長の指針を思い出した。実家も、両親が信心で踏みとどまり、負債を完済していく。
1年、2年とたつうちに、会社は少しずつ発展していった。やがて、従業員が100人を超えるまでに。
●挫折から10年──ある時、引き出しの中から昔のご祈念帳を引っ張り出してみた。かつて定めたご祈念項目を、一つずつ見直してみる。
1、2、3……まさに今の状態だ。4……海外との取引が増え、いつでも顧客先に飛べる立場になっている。
“全部、今の自身の状況じゃないか!”
さらに、気付いた。この10年があったから経済苦は自分の宿命だと分かった。だから本気で向き合えた。つまり、自分にとって一番いい形で、祈りは、かなったのだ、と。
●今、自身が大学校生のことを祈る側に立ってみて、メンバーがどのような思いで、どのように御本尊に向かっているかが、よく分かる。
そして、あのころ先輩に言われた言葉を、自分もまた真剣に、後輩に送るのだ。
「今の君の苦労は、君だけのものじゃないんだ。将来、必ず、同じように悩む人を救うための財産になる。だからこそ、必ず乗り越えようよ!」 (聖教新聞 2011-11-15)