人と人をつなぐ創価学会 社会に温かな「つながりの力」を

2011年11月16日(水)更新:6
【11・18 創立記念日特集 第2回 民衆の絆を強く 仙台白百合女子大学 大坂 純 教授】
今、仙台市のある区で、行政と市民共同の震災復興計画に、スーパーバイザーとして関わっています。復興までに、30年かかると言われています。私たちの時代で終わりではない。次世代の育成までも含んだ、息の長い復興支援が必要です。
震災だけでなく、戦争・事件・事故の被害者、また障がい者や高齢者など「社会的弱者」、すべてに共通することですが、「かわいそうだから、助けてあげよう」「終わったから、さようなら」では、支援ではないのです。支援というのは、懸命に生きようとしている一人一人のかけがえのない人生を、「長く」支えることです。
そういう点で、今、創価学会が、被災地に「復興支援センター」を作り、そこに常駐の人を配されていることには、長く支えようという「覚悟」が伝わってきます。
東京などの「中央」、被災者の生活と離れた「机上」で計画を練ることも必要でしょう。しかし、地域に根ざした支援こそが必要です。現地から離れた場で作られた計画だけでは、高齢者にとって、洗練されてはいるが、馴染みのない、よそよそしい街になります。若者が「ミニ東京」に暮らすのなら、東京に行った方がいいと出て行くのは当然です。
それに対して、創価学会の「復興支援センター」の試みは、地域に根ざした支援を目指される非常に大切な視点であると思います。
震災と津波で、人々のつながりが失われバラバラになりました。一人一人に「よーし、負げね」という心があっても、バラバラだと弱い。震災後、バラバラになった創価学会の方々が、座談会で再会し、抱きあって喜びあったと聞き、感動しました。学会には人と人とを「つなぐ力」があります。つながったとき、人は強くなるのです。
「貧乏人と病人の集まり」と、かつて評された創価学会。それは「困っている人のため」に学会があるということを象徴する言葉です。また池田名誉会長は、創立した創価大学の学生に対して「大学は大学に行けなかった人のためにある」と語られた。
「困っている人を最優先に支援する」──支援の現場で、一番大切なのに、今、忘れられがちなことです。「困っている人が、今どう生きているか」。そこに復興の「質」があります。
震災直後に、創価学会の婦人部の方たちが、居ても立ってもいられず、不休でたくさんの「塩むすび」を握って、被災地に届けてくれた──その温かい「つながりの力」を今こそ、さらに、発揮してほしい。創価学会が活躍して、社会の中に温かな「つながりの力」を満たしていただきたい、と期待します。 (聖教新聞 2011-11-16)