「盗聴教団」日蓮正宗の20年

2011年11月28日(月)更新:4
柳原滋雄コラム日記 2011/11/28(Mon) 「盗聴教団」日蓮正宗の20年】
 本日11月28日は創価学会日蓮正宗によって破門され、「魂の独立」を勝ち取ってから20周年の佳節となる。当時、阿部日顕の率いていた日蓮正宗静岡県富士宮市)は、信徒の供養で芸者遊びや高級温泉旅館での豪遊にふけるなど、悪徳政治家にも劣らない遊興ぶりが批判の的になっていた。うとましく感じた宗門側は、学会を切り捨て乗っ取ることを計画したが、それが現在はC作戦(創価学会分離作戦)などと呼ばれている。だが、その内容を見てみると、それではすまないような項目に驚かされる。箇条書きに再現すると――。
 (1) 池田名誉会長の総講頭を罷免する。
 (2) 池田名誉会長を事実上の名誉職に退かせ、自宅謹慎にする。
 (3) 学会発行の機関紙には今後、池田名誉会長に関する記事の掲載を禁止する。
 (4) 第一庶務(秘書部門)を解散する。
 (5) 創価学会の法人責任役員の過半数日蓮正宗の僧侶で占める。
 (6) これらの要求をのまない場合は、池田名誉会長を破門にし、日蓮正宗創価学会は全く関係ないことをテレビ・ラジオ・雑誌を通じてアピールする。
 (7) 朝日、毎日、読売の全国紙に、日蓮正宗創価学会は一切関係ないという主旨の公告を1週間にわたり掲載する。その費用を1億2000万円とする。
 (8) 日蓮正宗創価学会を分離したあと、どちらに入るかは創価学会員の選択に任せる。

 当初のC作戦の内容は以上のようなものだったというが、これらの行動が迅速に行われていた場合、その影響ははかりしれないものがあったとされている。だが、損害賠償請求の提訴を恐れた宗門側は、これらを状況を見ながらゆるやかに実行する構えをとった。
 上記の情報は事前にもれ、宗内に学会のスパイがいると疑心暗鬼になった阿部宗門側が、違法盗聴を得意とする調査会社に莫大な費用を使って連続電話盗聴事件を引き起こしたことも明らかになっている。詳細は、北林芳典著『判決 日蓮正宗妙観講連続電話盗聴事件』(平安出版、2009年刊)をご覧いただきたい。
 妙観講(講頭・大草一男)という名の「謀略集団」を使って違法盗聴を繰り返した教団は、あれから20年たったいま、信徒数は2%に激減し、静岡県の“泡沫教団”としてやっとのことで息を長らえている状況だ。

 【日蓮正宗妙観講連続電話盗聴事件】http://www.kitabayashiyoshinori.com/writing/hanketu/hajimeni.html