共戦

2011年12月5日(月)更新:1
・『新・人間革命』
http://d.hatena.ne.jp/yoshie-blog/20120325/

【新・人間革命 共戦 十七】
末法衆生の機根は、本末有善(本(も)と未だ善有らず)である。釈尊に縁がなく、成仏得道の種子が植えられていない。
そうした衆生をいかにして化導するか。
天台は、『法華文句』に「而強毒之」(而(しか)も強いて之を毒す)と述べている。正法を聞くのを好まない者に対しても、あえて、これを説いて、仏縁を結ばせることをいう。不軽菩薩のように、人びとに法を語り説いていくのだ。
妙法を聞いた人たちは、直ちに受け入れようとはせず、反発し、貧(むさぼり)、瞋(いかり)、癡(おろか)の三毒の心をお越し、法を説く人に迫害を加える。しかし、正法を聞いたことによって、仏縁が結ばれ、成仏する種が植えられるのである。
ゆえに、日蓮大聖人は、「而強毒之するは慈悲より起れり」(御書七六九ページ)と述べられている。
山本伸一は、山口開拓指導に参加した、同志たちに訴えた。
「仏法を聞いて、信心するかどうかは相手の問題です。要は、人びとの幸せを願い、何人の方に仏法を説き聞かせることができたかが大事なんです。
もちろん、皆が正法を信じ、幸福になることが目的ですから、断じて信心させようとの強い一念が大切であることは、言うまでもありません。しかし、信心しなくとも、決して落ち込んだりする必要はありません。
一人当たって駄目なら二人。二人当たって駄目なら三人、五人、十人と当たり、十人で駄目なら二十人。二十人で駄目なら三十人、四十人……と、ますます意気軒昂と、弘教していくんです。それが、すべて、功徳、福運となり、宿命転換の力となっていきます。
皆さんは、現代の不軽菩薩であり、また、地湧の菩薩です。そして、日蓮大聖人と同じ仏道修行の大道を歩んでいるんです」
伸一の指導に接した同志は、勇気が湧くのを感じた。皆、元気を取り戻し、蘇生した思いで弘教に飛び出していった。 (聖教新聞 2011-12-01)