何でも語り合う友の存在は、喜びを倍増させ、悲しみを半減させる

2012年1月5日(木)更新:2
【名字の言】
 漫画「ONE PIECE(ワンピース)」最新刊の初版発行部数が出版史上、最多記録の更新を続ける。子どもから大人まで、世代を超えて読まれている
 なぜ、ここまで人気を呼ぶのか? 社会ネットワークの分析を専門とする関西大学安田雪教授は、「ワンピースの中心的なテーマが『仲間』だからではないでしょうか」と語る。「無縁」という言葉に象徴されるように、「人間と人間の絆」の再生は、社会の大きな課題。安田氏は、多くの人が“かけがえのない仲間がほしい”という思いを持っていることが人気の背景にある、と考察していた(『ルフィの仲間力』アスコム
 英語の「レリジョン(宗教)」の語源は「再び結び付ける」。人と人とのつながりを取り戻す――それは、今まさに宗教の果たすべき使命だろう
 ただ、絆の再生は、旧習に縛られた古い社会を復活すればよいという単純な話ではない。社会的立場や学歴等を超え、よりよく生きたいと願う一個の人間として、結び合うことであろう。まさに私たちが、座談会をはじめ、日々、実践してきたことである
 胸襟を開き、何でも語り合う友の存在は、喜びを倍増させ、悲しみを半減させる。心と心を結ぶ挑戦を、本年も勇んで開始したい。 (聖教新聞 2012-01-05)