中国・中央財経大学が池田名誉会長に「名誉教授」称号を授与

2012年1月14日(土)更新:2
 〈北京12日〉日中国交正常化40周年を慶祝! 中国の名門「中央財経大学」(王広謙学長)から、池田名誉会長に「名誉教授」称号が贈られた。いち早く日中国交正常化を提言し、両国の友好を促進してきた功績を賞讃するものである。授与式は12日午前、北京市内の同大学「学術ホール」で挙行され、胡樹祥校務委員会主任、李俊生副学長をはじめ、創価学会訪中団の池田博正副理事長一行が列席した。
 零下の寒さが続いていた北京。この日は数日ぶりに暖かな日差しが街に降り注いだ。「ようこそお越しくださいました!」――授与式の会場に入る一行を迎える胡主任。池田副理事長が「慌ただしい時に恐れ入ります」と応じる。
 中国は春節旧正月)間近。多くの人が休みを利用して故郷に帰る。数億人単位で大移動が始まる、1年で最も忙しい時期だ。
 中央財経大学のトップである胡主任も、前日まで四川省成都での教育会議に参加していた。「おっしゃる通り、この時期は締めくくりの行事が多くあります。その中でも、きょうの授与式は最優先ですから」と式典に駆け付けた。
 国交正常化40周年の佳節――。胡主任は「池田先生が中国を支援し、中日友好に貢献されたからこそ、今のような繁栄の時代を迎えることができたのです」と強調した。
 昇龍のごとき発展を続ける中国。首都・北京ではビルが次々と建て替わり、交通量も多い。旧正月を前に、街中が明るく華やいでいる。
 世界経済を牽引する中国。その経済発展を力強くリードする、多くの優秀な人材を輩出し続けているのが、この中央財経大学である。
 同大学は1949年、新中国の成立直後に、財政・経済の高等教育機関として創設。国家重点大学の一つに指定され、金融学、地域経済学、国際貿易学など、各分野で先進的な教育・研究を行っている。
 なかでも応用経済学では、中国の大学ランキングで3位に位置し(2009年)、経済学、経営学において有数の実績を重ねている。
 中国人民銀行中央銀行)の戴相龍前総裁をはじめ、政府の財務関連部局や金融企業で活躍する経済・経営のエキスパートを数多く育成しており、“経済・経営の専門家の揺籃”として名を馳せる。
 国際交流も活発に推進。世界20カ国・地域、80の大学・教育機関と交流関係を結ぶ。
 近年には日本語学科が設立され、日本語のみで会計学を学ぶコースも設けられた。日本をはじめ、アジア諸国との交流を推し進めている。
 中国・中央経済大学の関係者と学会訪中団の出席者紹介から始まった「名誉教授」称号の授与式。
 席上、同大学国際交流担当の李副学長があいさつした。
 「池田先生は、我々にとって、敬慕してきた大先輩であります。
 中日国交正常化を積極的に進めてこられ、長い間にわたって、中日両国の友好事業に対して多大な貢献をされてきました。
 まさに、中国にとっては古い友人であり、中日両国における平和の使者であられます」
 「今年は、中日国交正常化40周年という、この特別な年にあたり、しかも新年のはじまりのときに、本学の名誉教授称号を受けていただき、光栄の至りです」 参加者の反応を確かめるように頷き、言葉をつぐ李副学長。
 「私たちは、池田先生が外博であられ、研究の範囲が極めて広いことを知っております。さらに先生は、極めて著名な教育者、社会活動家、哲学者、写真家であり、それぞれの分野で優れた評価を受けておられます」
 「池田先生がリーダーシップを執られる創価学会が、社会に対しても重要な貢献をしていることも存じ上げております」と力説した。
 李副学長は、日本は中国にとって一衣帯水の隣国であるとし、自身が幼少のころから名を知り、最も印象が深かった日本人の一人が池田名誉会長であったと述べ、授与の理由を次のように語った。
 「池田先生に本学の名誉教授に就任していただくことは、今後、本校の教育と研究の面において、必ずや大きな支えとなり、多大な財産となることと確信しております」
 「本学はこれまで、著名なノーベル経済学受賞者などを名誉教授に招聘してきましたが、池田先生への名誉教授称号の授与は、何よりも光栄であり、特別なものです。相互大学として飛躍するための、重要な一ページとなりました」
 続けて李副学長は、中国経済の発展と変化は複雑であり、人材のニーズが多岐にわたっていることに触れ、このような情勢に対応できる専門性と国際性をもった人材を養成していきたいと強調。その意味でも、池田名誉会長への名誉教授称号の授与は、こうした人材の養成に大きな力となると述べた。
 そして「今回の授与は、中日友好の事業が新しい段階に入ることを象徴するものです」と、深い感謝の意を表した。
 池田副理事長は、名誉会長への深い信頼と共感に感謝しつつ、この意義深き時に新たな日中友好の道を共に開きたいと強調。名誉会長の謝辞が紹介された。
 胡主任から代理の池田副理事長に、名誉教授の証書が託されると祝福の拍手が高鳴った。
 ――池田名誉会長の勇気ある提言が突破口を開いた国交正常化から40星霜。信義の大国は、誰が中国の人民の中に飛び込み、誰が相互不信の壁を打ち砕いたのかを真摯に見つめている。 (聖教新聞 2012-01-14)

【中央経済大学名誉教授称号授与式での名誉会長の謝辞(代読)】
●貴大学の精神として、「担当責任 勇往直前」(責任を担い立ち、勇敢にまっしぐらに前進する)と、力強く謳われていると伺いました。
 それは、自分さえよければいいという「無責任」とも、他者の犠牲の上に自らの利益を図る「利己主義」とも、決然と対峙しゆく精神であります。
 人民のため、社会のため、世界のため、そして未来のために、あえて労苦の多い、大きな使命と責任を担い立って、勇猛果敢に前進を続けていく。
●「互いに助け合おうとする友愛は、身の回りから始めることが可能である。」
●生命は孤立しては、その本来の輝きも発揮できません。
 さまざまな差異を超えて、語り合い、学び合い、支え合っていくなかにこそ、新しい創造の力が尽きることなく湧きいずる。
●経済を動かすのも、人間。平和を創出するのも、人間。すべては人間をつくることから始まります。
●「革命をやるにも、建設をやるにも、勇敢に思考し、勇敢に探索し、勇敢に創造する一郡の闘将が必要なのだ」 (同)