世界平和は、目の前の一人を励ますことから始まる

2012年1月28日(土)更新:4
【名字の言】
 池田SGI会長の「SGIの日」記念提言は、立正安国論の「民衆が根本」との視座をもとに、相次ぐ災害や経済危機に直面する世界を見つめ、克服の手がかりを示した
 紛争は「安全保障」。自然災害や温暖化は「環境」。金融危機は「経済」。問題を切り分けた、専門知による議論ばかりに目を奪われると、見えなくなるものがある。戦争であれ災害であれ、不況に伴う失業であれ、脅かされているのは人間の「生きがい」であるということだ。だからこそ、希望を再生する「心の絆」「励ましの楔」が必要となる
 提言を学び被災地の人々が浮かんだ。宮城・亘理町の仮設 住宅で暮らす婦人は、震災を経て「人のいい所を見つけられる自分に変わった」という。炊き出しの人には「料理が上手ね」。配給の服を着こなす人には「センスが素敵」。仮設住宅に入る人には「よくここまでこぎつけたね!」
 婦人は笑った。「池田先生の言う通りにしてるだけなのよ。『全世界を幸福に』といっても、私には難しいことは分かんない。人のいい所を見つけて褒めると、いつの間にか友達の輪が広がってる。これが私の広宣流布なのよ」
 言葉の中に、哲学が生きていた。世界平和は、目の前の一人を励ますことから始まる。 (聖教新聞 2012-01-28)