ネットの利用 いま一度注意を

2012年3月24日(土)更新:1
【社説】
 スマートフォン(多機能携帯電話)でのインターネット利用は、今や日常的な光景だ。従来の携帯電話やパソコンを含め、ネットは生活に欠かせないものになりつつある。防災への意識が高まる中、災害時につながりにくい電話やメールではなく、ネットを利用した情報確認・伝達方法も広がっている。
 総務省によると、国内のネット利用者数は年々増加し、9500万人に迫っている(平成23年版「情報通信白書」)。

〈こちらも情報を与えている〉
 しかし一方で、ネット上のトラブルや被害も急増している。偽装したホームページに誘導し、住所やパスワード等を入力させて盗み取る「フィッシング詐欺」や、URL(ネット上のアドレス)をクリックしただけで「申し込みを受け付けました」等と表示し、不当な料金を請求する「ワンクリック詐欺」。高額収入が得られるといった「迷惑メール」など、年々、手口は多様化・巧妙化している。
 ネットを利用する際は、こちら側が情報を得るだけでなく、相手側にも情報を与えていることを意識したい。まずは、信頼できるサイトかどうかを確認する。知らない送信元からのメールは、むやみに開かない。ウイルスチェックソフトの導入など、セキュリティー対策は欠かせない。特に低年齢層が利用する場合、閲覧可能なサイトの限定も大切だろう。
 一方で、「ツイッター」や「フェイスブック」といった交流サイトSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が発達し、誰でも手軽に情報を発信できるようになった。ところが、ある企業では、従業員がネットで業務上の情報を漏らす発言をし、個人だけでなく、企業全体の信用を失いかけたケースもある。

〈幸福と平和への智慧を追求〉
 ネット上で発信された情報は、半永久的にネットの世界に残ってしまう。他人の個人情報や顔写真などの公開は、プライバシーや肖像権、著作権等の侵害となる可能性があることを十分注意したい。
 池田名誉会長は語っている。「インターネットに象徴されるダイナミックな情報革命は(中略)多くの人々に共有される道を大きく開くものである。ゆえに、これからの時代は、あらゆる知識や情報を、人類の幸福と世界の平和のために生かし、使いこなしていく『智慧』が、ますます追求されなければならない」
 「百千万億倍・御用心あるべし」(御書1169ページ)との御金言を胸に、賢明に智慧を働かせ、新年度を迎えたい。  (聖教新聞 2012-03-24)