生命力とは未来の勝利を信じる力の異名

2012年4月1日(日)更新:4
【名字の言】
 昨年の「3・11」以降、新潟県に避難した福島の友と再会した。太平洋側から日本海側の地へ。慣れない生活に閉口していた前回の出会いとは一変していた「故郷に帰りたい。あの日以前に戻りたい」と、口にしていた友を変えたのは、福島の同志の言葉だった。「試練と闘うなかでしか磨き上げることのできない『心の財(たから)』がある!」
 「心の財」とは、同志と築いた“懐かしい思い出”ではなく、同志と培った“信心への確信”だと気付くと、心の向きが過去から未来へ転換した。そして、「今」を勝つことが、過去も勝ったことに通じ、未来に勝つことを拓くのだ、と実感できたという
 新潟県出身の歌人で、書家の会津八一は私塾を開き、若者を鍛え育てた。同塾の学規に「日々新面目あるべし」と。日々、新しい自分を創造していく大切さを訴えている。新潟大火で実家を焼かれ、東京では空襲から着の身着のままで逃れた。さらに、養女に先立たれ、自身も病に苦しんだ。そんな数々の試練に屈しなかった哲人の言葉が胸に迫る
 池田名誉会長は、信仰に励むことは「究極の『日々 新たなる』全生命の清新の躍動」と。生命力とは未来の勝利を信じる力の異名だ。そう心して、新年度をスタートしたい。 (聖教新聞 2012-04-01)