信念を抱いて献身する配達員の方々こそ、本紙の最大の誇り

2012年5月4日(金)更新:3
【名字の言】
 本紙配達員の永年表彰を受けた友に、じっくりと話を聞いた
 配達歴30年を迎えた、北海道・芦別市の婦人部員。重度の小児まひの子を育てつつ、豪雪地での配達を全うしてきた。彼女には宝物がある。配達を始める以前、本紙に掲載された、わが子と同じ病を克服した信仰体験の記事だ
 「私も同じ体験をつかめますか」。彼女は、そう編集部に質問した。「絶対につかめます。お子さんは使命をもって生まれてきました。どんな苦難も、いつか必ず、よかったと思える日が来ます」との答えが。心の暖炉に、ぽっと火がともるようだった。「聖教の記事に救われました。同じように、きょうもこの新聞が誰かの希望になる、と思って配達してきました」と彼女。今、子は病を乗り越え、元気に働いている
 今年、没後50年になるドイツの作家ヘッセの言葉にこうある。「信念をいだき、その信念のために献身できる人々なしには、世界は生きることも前へ進むこともできない」(ヘルマン・ヘッセ研究会編訳『ヘッセからの手紙』毎日新聞社
 信念を抱いて献身する配達員の方々こそ、本紙の最大の誇りだ。読者はもちろん、偉大な配達員の方々と共に歩める紙面をつくらなければ――あらためて、そう心に期する。 (聖教新聞 2012-05-04)