師匠を求めて懸命に戦う青年がいれば未来は開ける

2012年6月4日(月)更新:5
【名字の言】
 「こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂げて死なむと思ふ」。石川啄木24歳の時の歌集『一握の砂』に収められた歌。自分が理想とする仕事がほしいという苦悩、生かされない自分への、若さゆえの焦りと憤りが読み取れる

 被災した東北3県では震災前より求人倍率が上がっているという。数字はそうだが内実はどうか。三陸沿岸で求職中の青年の多くは希望に見合う職がなく、地元では生活できないと語っていた
 厳しい現実の中で、被災地で歯を食いしばる青年には頭が下がる。昼間の仕事だけでは生計が成り立たず、夜間にアルバイトをしている男子部員がいた。周囲の声は「彼は仕事が忙しくて大変なんです」と
 彼の目は、連日連夜の働きづめで充血していた。昼の仕事を定時に終え、帰宅後、アルバイトへ。再び帰ると日付が変わっている。「でも夜の7時から小一時間、すき間があるんです」。週1回、その時間に男子部の仲間と自宅で勤行し、池田名誉会長の指導を学んでいるという。厳しい環境に負けない青年の魂が胸に迫ってきた
 被災地に限らず、若者を取り巻く環境は過酷かもしれない。しかし、師匠を求めて懸命に戦う青年がいれば未来は開ける。彼の生き方に心を強くした。 (聖教新聞 2012-06-04)