他を益する人間の優れた能力があらゆる所で発揮される世の中築きたい

2012年6月16日(土)更新:1
【名字の言】
 「何のための成長か」「他に配慮すべきことは何か」。この視点を吟味すべきだと呼び掛けた池田SGI会長の提言(本紙5、6日付)。ブラジルで開催される国連持続可能な開発会議に寄せたものだ。利己主義による軍事的、政治的、経済的競争から脱し、「他のためにし、他を益しつつ自己も益する」(牧口会長)人道的競争に転じる必要があると
 「他のためにし、他を益し」とは、人のことを考えるということだが、実は、これは人間の特徴的な能力でもある
 動物の行動と生態の研究に取り組む総合研究大学院大学長谷川眞理子教授は、「相手が何をしたがっていて、何をしてあげると喜ぶのか」「他者を慮(おもんばか)ることの元になる心の理解、いわば共感する能力」について、ヒトは他の動物に比べ、抜きんでて優れていることを指摘している(『貢献する心』共著、工作舎
 人は言葉をはじめ表情や身ぶりなどで常に他人と交流し、無意識のうちに相手の心をつかもうとしている。相手が何を欲しているか、思いやれる
 この人間的な生き方ができる半面、心が欲望に支配されれば自己中心的に振る舞う複雑性も持っている。他のためにし、他を益する人間の優れた能力が、あらゆる所で発揮される世の中を築きたい。 (聖教新聞 2012-06-15)