一人一人の可能性を引き出し、育むために組織はある

2012年6月16日(土)更新:3
【名字の言】
 「木いうのは人間に似てます」――宮大工棟梁の西岡常一氏の言葉だ。木のクセは、育った環境でそれぞれ。そのクセや性質を生かして、組み合わせていくという
 独学で建築を学び、世界的に活躍する建築家の安藤忠雄氏。「集まりくる人々の心と心をつなぎ、感動を刻み込むのが建築の真の価値」と語る。そこに住む人々の幸せを頭に描くことから、氏の仕事は始まる
 建物を造る敷地にも、それぞれ“性格”があり、一つとして同じ条件はない。その敷地の個性を的確に読み取り、計画や設計に生かしていく。「建築をつくる行為は、人を育てることに似ている」と、安藤氏も言う(『安藤忠雄 仕事をつくる』日本経済新聞出版社
 日蓮大聖人は「異体同心」と教えている。組織のために個性を押し殺し、個々人をもっぱら手段とする「同体同心」ではない。一人一人の可能性を引き出し、育むために組織はあり、開花した個性が支え合うことによって、組織もまた前進するという哲学だ
 木や敷地に一つとして同じものがないように、一人として同じ人間はいない。一つとして同じ悩みもない。一人一人に耳を傾け、一人一人を生かし、秘められた力を開花させていく――それが広布建設の運動である。 (聖教新聞 2012-06-16)