きょう、終戦の日 人間革命運動こそ永遠平和への直道

2012年8月16日(木)更新:4
【社説】
 きょう8月15日は、67回目の「終戦の日」。青年部主催の「世界平和祈念 戦没者追善勤行法要」が行われる。全ての犠牲者を追善し、恒久平和への誓いを新たにする日としたい。
 沖縄県出身の詩人・山之口貘は、本土復帰前の1951年に発表した詩で、「沖縄よ/傷はひどく深いときいているのだが/元気になって帰って来ることだ」と詠った(集英社刊『オキナワ 終わらぬ戦争』所収)。凄惨を極めた地上戦を経て、戦後も米国の施政権下で、政治の矛盾に翻弄され続けてきた沖縄から見るとき、日本の実像が浮かび上がる。

〈世界的規模で展示・出版活動〉
 私たちは果たして、真の意味で“終戦”を迎えたのだろうか。沖縄に足を運べば、米軍基地の整理・縮小は進まず、戦争犠牲者の遺骨収集は今も続く。
 歴史を正しく見つめなければ、新しい未来を開くことは不可能だろう。仏典には「過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(御書231ページ)とある。戦前、そして戦後の歩みを真摯に見つめ、未来への“平和の因”を、今こそしっかりと育んでいかねばならない。
 政治も、教育も、また家庭でも、地域でも、戦争の悲劇を風化させない努力が必要だ。創価学会は「平和の文化」を訴える各種展示や反戦出版など、草の根の意識変革を世界的規模で展開してきた。
 沖縄研修道場は、かつて米軍の核ミサイル基地であり、中国の主要都市を射程に置いていた。「基地の跡は永遠に残そう。『人類は、かつて戦争という愚かなことをしたんだ』という、ひとつの証として」と提案し、「世界平和の碑」を建立したのは、池田名誉会長であった。

〈戦争根絶は生命の変革から〉
 全人類を滅亡させうる核兵器。その根底には、不信と憎悪の国家エゴイズムが渦巻いている。狡猾な指導者は人々の恐怖心や敵意を煽ることで、無謀な戦争を引き起こしてきた。
 仏法では「瞋恚増劇(しんにぞうぎゃく)にして刀兵(とうひょう)起り」(同718ページ)と、争いは怒りの生命から始まると指摘している。生命の変革なくして戦争の根絶はありえない。
 ハーバード大学のヌール・ヤーマン博士は「創価学会の平和への挑戦は、劇的であり、この長年にわたる挑戦自体が偉大な達成」と評価する。「他者に尽くす」心の連帯を広げ、信頼と協調と不戦の輪を拡大する人間革命運動こそ、永遠平和への直道である。  (聖教新聞 2012-08-15)